毎年この時期、暑くてたまらないという人がほとんど。 こちらは、暑いときは暑いなりに汗かけばいいし、寒い時は寒いなりに霜焼けができるわさで過ごす。 自然順応派のどちらかというと古いタイプの人種。
だから、エアコンも好きでなく、汗びっしょりの毎日。 昼間はもちろん夜寝ている時も汗でぐっしょり。 こう書くと絶対に御免こうむると思う人が多いかもしれないが、意外とすっきりなんだ。 とりわけ、たっぷり汗かいたのをふき取った後は、さっぱりした気持ちですらある。
なによりも気分がいいのは、汗と一緒に老廃物を流してしまって身も心も軽やかになっていること。 その清々しい軽やかさで、今日は重く難しい問題を考えてみよう。 重苦しく考えたら、見えるものも見えなくなってしまう。 すっきりとした気分で考えるのだ。
テーマは国の借金と国債の暴落懸念。 国はおよそ1000兆円の借金を抱えているが、今年も国債を42兆円ほど発行する。 それだけ借金が増えるわけだ。 景気が上向きかかっているから、税収が多くなるとしても、92兆円の予算に対して50兆円の税収となるかどうか。 財政赤字が続く限り、国の借金と国債の発行残高は増え続ける。
まあ、国には徴税権と紙幣の印刷権という強力な武器があるから、財政破たんはあっても潰れることはない。 大幅な増税と1万円札をじゃんじゃん刷れば、国の台所は何とでもなる。 それに対し、国民はどう生活防衛するかだ。
やることは、ふたつ。 税の支払い能力を高めておくことと、1万円をじゃんじゃん刷ることで円の価値が目減りするが、それにどう対処するかだ。 年0.02%の利子しかつかない預貯金では、生活防衛どころではない。 よほど収入を増やすことと、しっかりした運用で資産を増やす手立てを講じておくことだ。
一方、国債の暴落にも備えておく必要がある。 国の借金が増え続ける限り、国の借金証文である国債の価値も下がっていく一途。 日本の場合、国内で総発行額の95%前後が消化されているから、海外からの売り圧力で暴落の途に就く恐れは少ない。 そう、どの金融機関も口をそろえて言いつつ、国債の大量保有に安穏としている。
しかしだ、大量に供給されたモノの価格が下がるのは、経済の大原則。 また、80年代後半のバブル時に ”我々が売らない限り、株価は下がるわけがない” と豪語していた金融機関が、バブル崩壊後はわれ先の売り逃げに走った。 まったく同じことが、日本の横並び運用者たちによって起こるのだろう。 市場の需給無視の一方的で後先考えないな売りが、今度は国債でみられるのだ。
国債が暴落を始めたら、銀行はじめ生保も年金も運用の現場はずたずたになる。 郵貯も簡保も、農林系の金融機関も例外ではない。 評価損は膨れ上がる一途となるが、国債など債券は値下がりを始めたら一方通行的な売りで、株式のような叩き売りができない現実に直面する。 金融全般に大混乱をきたすのは間違いない。
その時、長期の株式投資がどれほど安心で確かが、はっきりとした社会認識となる。 たとえ国が財政破たんに陥っても、また国債の暴落で金融機関の経営が傾いても、日本人1億2750万人の毎日の生活は途切れることなく続いている。 その生活を支える企業のビジネス活動は、一時として止ることは許されない。
そういった企業の株式を買って保有しておくことは、お金の置き場所として最も安全である。 われわれの毎日の生活消費で売り上げに貢献するから、長期投資対象の企業は国債が暴落しようと潰れっこない。 もちろん、円の価値が下がりインフレとなっても、企業の売上額はインフレ連動で増えるだけだ。
ここから5年ぐらいの間には、上に書いたことが相当に現実味を帯びてくるだろう。 真夏の夜の夢どころではなくなる。 そう考えるのならば、いまのうちから皆で長期投資しておくことだ。 さわかみファンドの評価は一気に高まるのは間違いないが、本音をいうと今の段階からファンド仲間が激増してもらいたいところだ。 皆で一緒に生活防衛のレベルお超えた対策を講じれるはず。