さわかみグループでは、本格的な長期投資をベースに、より良い世の中をつくっていこうとしている。
本格的な長期投資とは、こんな社会をつくっていこうとする夢や想い、そして意思をもってお金に働いてもらうもの。
世の中にまわさせてもらったお金がしっかりと働いてくれれば、ありがとうという言葉とともに殖えて戻ってくる。
それが投資のリターンである。 ガツガツ儲けようとはしない。 ゆっくりとだが、殖えていってしまうという感覚だ。
その投資も、マーケットでのみならず、いろんな分野でお金に働いてもらうことができる。
また、お金がしっかり働いてくれた結果の、投資のリターンも金銭的なものだけではない。
やっている事業が世の中に受け入れられて、少しずつ大きくなっていっているのも、リターンの結晶化である。
ちなみに、さわかみグループでは10を超す事業を展開していて、どれもが広い意味での投資である。
その中で、たとえばオペラだが、全国5か所で地域活性化に貢献しだしている。
年に1回のオペラ公演だけだと、年間イベントの一つぐらいの位置づけでしかない。
それが、ウチの場合は地元の人々が合唱団に参加して、1年を通した練習に励んでもらっているのだ。
会津は喜多方市の例でいくと、夕方5時過ぎぐらいから出歩く人はほとんどいなくなる。
市民はほぼ全員が家にこもり、街は歩く人が絶えて静寂に包まれる。 ときどき車が行き交うだけ。
ところが、合唱の稽古がある日は皆が18時ぐらいに家を出て、練習会場に集まりはじめる。
主婦は家族の夕飯を終え、子どもを寝かしつけたりして、嬉々として会場にやって来る。
18時半から3時間の稽古を終えると、仲間の一人が経営している居酒屋へと流れ込んでいく。
それから延々と12時11時半から12位半ぐらいまで飲んだり食べたりで、みなで楽しむ。
そういった月1~2回の稽古を理由にした、夜の集まりというか盛り上がりが、もう止められないとなってきた。
その流れで、合唱団員を中心にして、年1回の本番に向けて市民をどんどん巻き込んでいく。
オペラ公演をもっともっとすごいものにしていこうぜと、協賛金も600万円ほど集まった。
今年は、仲間たちで11件の出店を出してもらって、本番に花を添えてくれた。
どれもこれも、お金をつかっていくことで、市内でお金がまわっていっている。
つまり、活性化につながっていっているのだ。 皆が楽しみながらお金をつかって、皆が元気になる。
この流れを、もっともっと太く分厚くしていけば、さらに多くの人々を巻き込んだ活性化となっていくわけだ。