イランのホルムズ海峡封鎖の影響は時間が経てばたつほど、やっかいな問題となっていく。
中東からの原油やLNG などの輸送網が分断され、アジアを中心に石油の供給が事実上のストップ状態にある。
一方、ガソリンや軽油などの燃料やナフサとしての化学原材料は、各国でそれこそ日々消費されている。
ということは、日を追うごとに原油の供給ネックが深刻化し、価格も上昇させてしまうリスクが高まるわけだ。
それだけではない。 ここまでの戦闘でカタールのLNG 基地が爆撃を受け、その修復に3~5年かかるという。
これからの展開で、イラン最大の原油輸送基地であるカーグ島がダメージを受ければ、その反撃でさらに厄介なことになる。
当然、中東の石油関連施設の多くにイランからのミサイルが向かって、報復破壊を重ねるだろう。
あちこちの石油関連施設が大なり小なりの損傷を受ければ、それだけ原油やLNG の供給力が削がれる。
となると、いくら米国での原油やショールオイルの増産に励んだところで、原油価格の高騰は必至。
つまり、第3次石油ショックとなりかねないのだ。 1970年代の2度の石油ショック以来、50年ぶりのエネルギー危機だ。
当時と比べ、世界全体のエネルギー消費量つまり需要は格段に高まっている。
それに対し、原子力発電や再生可能エネルギーも充実してきたが、まだまだ原油依存度は主要エネルギー源として高い。
したがって、イラン問題が長引けば長引くほど、世界全体でみてエネルギー危機の懸念は高まる。
もちろん、原油価格の高騰は世界のインフレ再燃に直結していく。 当然のことながら、金利も上昇しはじめる。
もうそうなってくると、米国の11月の中間選挙でトランプ再選がどうのといった次元の話ではなくなる。
世界経済にも悪影響が及んでくるし、なによりも多くの人々の生活が脅かされる。
金融マーケットも暴落を重ね、大混乱に陥るのは避けられまい。
そのあたり、これからのイラン情勢の展開次第である。
