いよいよ来週の月曜日、1月20日からトランプ第2期政権がスタートする。
11月の大統領選後から次々と打ち出されているトランプ号砲を聞くだけでも、これから何が起こるか予想もつかない。
はっきりしてきたのは、一貫した長期ビジョンのない独裁的権限者が米国のみならず世界を引きずり回す図式だ。
ここでいう長期ヴィジョンとは、米国そして世界の人々のためにどんな政治をしていくかの理念や意思だ。
米国大統領として、そのあたりの普遍的な思想や政治哲学を多くの人々は期待している。
その点、彼は自分を含め一部の富裕層の利益につながる方向性で、その場その場の政治を行っていくだけなんだろう。
たとえば、MAGA (Make America Great Again) といってるが、利益誘導型の政治スローガンから一歩もでない。
一体どうやって、米国においても広がっている貧富の格差拡大を是正していくのか?
カリフォルニアの山火事など、世界中で地球温暖化による異常気象の猛威や海面水位の上昇で多くの人々が苦しんでいる。
それに対し、カリフォルニア州知事の無能さを罵倒し、その一方で米国内の油田開発や発掘業者の声を優先する。
また、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルのガザ空爆などでは、法による秩序よりも、力による現状変更を認めようとする。
それでいて、ノーベル平和賞を期待しているとかの発言もあったりで、世界を振り回している。
ともあれ、彼に忠誠を誓う人々で固めた政権だ、これからどんな政治判断が飛び出してくるのか、予測もつかない。
おそらく、経済やマーケットでの大きな混乱や相場の乱高下は避けられないだろう。
なにしろ、この20年余り、カネ膨れし続けてきた金融マーケットに、トランプ政権によるご都合主義が乗っかるのだ。
先行き不透明で荒れた展開となればなるほど、経済合理性に沿った判断でもって、どっしりと構えることだ。
為政者などによる人為の力まかせには限界がある。 どこかで経済合理性の力には屈する。
経済合理性の力? そう、地球上81億人の生活が求める最大公約数的な水準に収れんしようとする、自然体の力だ。
それが、早くも世界的なインフレ圧力や金利上昇といった警鐘を発してきているではないか。
まあ、われわれ本格派の長期投資家は実体経済から一歩も離れない投資を淡々と続けていくことだ。
なにが起ころうと、世界中の人々の生活はなくならないのだから。