人々の生活が織りなされて、日々すこしずつ歴史がつくられていっている。
のちに激動とか激変とかで、歴史に刻まれていくことになる事象も、あとになってみれば一つの通過点に過ぎない。
いまトランプ第2期政権がスタートして、好き放題といっていいような大統領令を次々と発布している。
どこまで法秩序を守る意思があるのか、道徳意識とか慈悲の精神が初めから欠如しているのか、やたらと不安を巻き散らかしてくれている。
おそらくだが、これから米国はじめ世界は、相当な混乱に引きずり込まれていくのだろう。
その前、これまでも世界は強欲資本主義というか、カネがすべてを正当化させる金融資本主義で突っ走ってきた。
それが、一部の人々へ富を極度に集中させ、大多数の人々の低所得化や貧困化が社会を不安定化させてきている。
大学など教育費の高騰も富裕層の子弟をより有利にさせ、それが故の教育格差が社会の階層を固定化しつつある。
つまり、富裕層はさらに富を増殖する一方、いわゆる中間層は消滅していき、下層社会がどんどん形成されていく図式だ。
本来なら、そういった社会の不公平化にブレーキをかけるべく、人智を結集すべきところ。
その一環として、DEI(多様性、平等、包摂)といった概念が社会課題として浮上してきていた。
それを彼は、廃案だの一言で終わらせた。 彼に投票した貧困層の人々は、そのうち愕然とさせられるのだろう。
冒頭に歴史の一コマと書いたが、ここから世界は経済的な混乱と社会的な混沌が加速した時代に突入していくのだろう。
経済的にいえば、インフレと金利上昇という経済合理性の刃は、様々な形で襲いかかってくるのは避けられまい。
それが、以前から主張してきている、カネ膨れした張りぼての経済のあちこちでプシュプシュと穴をあける。
すると、高く天空を舞っていた金融マーケットは糸の切れた凧のように、空中で大乱舞をはじめ最後は地上に叩き落される。
社会的には、地政学リスクが世界中あちこちで噴き出し、先進国といえども人々の生活は不安定化しよう。
そうなってくると、ヨーロッパ大陸に伝統的なプライベートバンキングが、ますます存在価値を高めよう。
すなわち、戦争、インフレ、社会変動の順番で顧客資産を保全しつつ、少しずつ殖やしていってくれる安心感だ。
もちろん、そこは限りなくプライベートバンキング的な投信を標榜してきた、さわかみファンドの出番である。
われわれは、なにがあっても自助の意識で堂々と生きていく。 プライベートバンキングの本質も、そこにある。