人気取りとエゴ政治、その果てには

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世界最大の経済と軍事力を背景に、脅しと取引でもって国際政治や経済を好き放題に振り回しているトランプ政治。

その目指しているところが、MAGA (米国と再び最強に)とは言いつつも、自己満足の最大化にあるようだ。

これだけ世界中を好き放題に引き摺りまわしているのに、果たしてどこまで米国の利益を追求してのものかは疑わしい。

そのあたりを米国民が感じ取りだすと、彼への支持率は一気に下がる。

現に、就任後100日での大統領支持率をみるに、最近の大統領では最低に落ち込んでいる。

なんとか支持率を高めようと、懲罰的な関税水準を課していたものを、一方的に下げたりと場当たり政策を連発している。

そういった場当たり政策の連発は、米国はもちろん世界経済を混乱させるだけである。

その先では、成長率の鈍化やインフレ再燃といった展開が待っている。

いわゆるスタグフレーションという事態にまで行ってしまうのかもしれない。

そう考えるにつけても、昨日からの株価などマーケットの反応は楽観そのものである。

中国との交渉で関税率の大幅引き下げが合意したのを好感してのことらしい。

ひたすらマーケット動向を追い回して売却益を確保しようとするディーラー達や短期投資家にとっては、それでいいのだろう。

彼らは反応が早いから、マーケット動向が下げに転じても柔軟に対応できるから、まあ良しとしよう。

われわれ本格派の長期投資家からすると、企業の収益動向の悪化には目を離せられない。

これだけ、場当たり的な政策が連発されると、世界の企業経営にも影響が及んでいく。

とりわけ、空前のカネ余りで買って買いまくられてきた企業群にとって、業績悪化は厳しい現実を突きつけられる。

上にも書いたように、世界各国の成長率鈍化でスタグフレーションの気配が強まってくると、株価は大きく売られる。

それが売りの連鎖を引き起こし、世界のマーケットが収拾のつかない大混乱に陥ることも大いにあり得る。

ともあれ、米国発で健全な経済運営からどんどん離れていっているのが現実だ。

個々での大きな戻りには、売れるものはどんどん売っていこうに尽きる、そう思うよ。