トランプ第2期政権がスタートした。 米国民が選んだ世界の最高権力者が、返り咲いた。
どうして、トランプ氏がと訝しがったところで、歴史の1ページは開かれた。 それが現実である。
その彼だが、報道されてきた言動の数々からは、相当に過激で場当たり的な政策を連発することになるのだろう。
たとえば、彼は就任後すぐパリ協定といわれる地球温暖化対策からの離脱を表明した。
第1次トランプ政権で離脱したのを、後を継いだバイデン政権がパリ協定に復帰した。 それを覆したわけだ。
そして、国内の石油関連業者にシェールオイルや天然ガスを掘って掘りまくれと指示している。
それでもってエネルギー関連コストを下げ、国内インフレを抑えられると主張している。
その横では、異常気候で巨大なハリケーンの猛威や、カリフォルニアの山火事などで大きな被害が続出している。
自然の猛威に対しては、各州知事の無能によるものだと、むしろ民主党攻撃に政治利用している。
また、不法移民に対しては、メキシコとの国境警備強化を手始めに、強制送還策を次々と打ち出してくるのだろう。
低賃金労働の移民が強制送還されれば、国内労働者の給与収入は増加すると彼は主張している。
しかし、失業率も低く雇用対策の必要性は感じられない現在、低賃金の移民労働者がいなくなったら米経済はどうなるのだろう?
労働力不足で、コストプッシュ・インフレに火がつくのは、眼にみえている。
まあ、そんな形で一部の人々に良かれの利益誘導的な政策を打ち出せば出すほど、経済全体での不合理は蓄積される。
その先では、金融マーケットはじめ経済活動のあちこちで不安定で荒っぽい展開となって表面化してこよう。
それはそのまま、経済的に合理的な水準への回帰エネルギーの蓄積に他ならない。
われわれ本格派の長期投資家からすると、経済合理性への回帰エネルギーは最大の投資チャンスが転がっていると映る。
すなわち、トランプ政権が経済全体の整合性に欠けた政策を連発すればするほど、その反動は大きくなる。
合理への反動エネルギーを待ち構えて、それに乗る投資戦略が一番安全で安心できる。
この先、トランプ劇場の第2幕で世界が大揺れするだろうが、そう遠くない先の合理への回帰を待ち構えよう。