いま、多くの投資家は機関投資家を含め、さぞかし悩ましい立場にいることだろう。
株式市場にしても債券市場にしても、トランプ政治に振り回されっ放し。
このまま強気で買いポジションを高めていっていいものか、踏ん切りがつかない。
かといって、機関投資家などは独自の判断で売りを進めるわけにはいかない。
勝手に売りポジションを高めていっても、マーケットが読み通り下げに転じてくれなかったら、ヤバい。
このまま膠着相場を続いたり、ちょっとでも上がったら、その分の成績差が問われる羽目に陥る。
そんなリスクは取らず、ひたすらマーケットとの乖離が大きくならないよう、マーケットについていくしかない。
その点、個人投資家は楽なもの。 自分の判断で、さっさといまの膠着相場から離脱することもできる。
しかるに、株価などが上がってほしいとか、投資収益を高めたい欲が、どうしても前面に出てきてしまう。
そんなわけで、機関投資家も個人投資家も動くに動けない、悩ましい状況下にある。
そういった投資家たちのフラストレーションの高まりを、われわれ本格派の長期投資家はニヤニヤと横で眺めるばかり。
判らないものには手を出さない。 分からないときは現金にしておくが、投資の鉄則である。
トランプ政治で米国はもちろんのこと、世界経済がどうなっていくのか、さっぱり読めない。
そんな時は、売れるものは売って、現金ポジションを高めておくに如かず。
よしんば、マーケットが上昇軌道を追い始めたところで、トランプ政治に振り回される状況は続く。
となると、いつどこで上昇相場が急落に転じるか知れたものではない。
ならば、そういった不安定な投資環境からは離れ、しばらく様子見に徹するのも一手である。
それを「休むも相場」といって、往年の相場師たちが金科玉条とした投資格言が重きをなしてくる。
さて、ここからが本論。 われわれ本格派の長期投資家は、休むも相場とかでのんびりしているわけではない。
このカネ余りバブル相場の最終局面、ずっと以前から売れるものは売って、現金ポジションを高める戦略に徹している。
ましてや、トランプ政権が支離滅裂といってもいいような経済政策を連発してくれている。
どこか時間の問題で、経済合理性の鉄槌がマーケットや経済の現場に下るのは時間の問題である。
その時は、マーケットはもちろん経済の現場は大混乱に陥って、同時に経済合理性への回帰エネルギーが爆発する。
そこを真っ正面からとらえてやろうと、われわれは虎視眈々と待ち構えているわけだ。