世界の機関投資家のほとんどは、自分の判断で投資できない中で、ひたすらマーケットについていっている。
よくいわれる、「音楽が鳴っている間は、ダンスを踊り続けなければならない」だ。
運用担当者からすれば、そろそろ売り時だと思っても、売り注文を出すのは恐ろしく危険。
もし売った後も上昇相場が続けば、マーケットに対し後れを取ってしまう。
売らずにずっと上昇相場に乗っていた競争相手からも成績差をつけられる。
それはそのまま、その運用者の能力評価を落とすことになるし、年金など投資家顧客から糾弾される。
そんなリスクなど取るよりも、ずっとマーケットについていった方が、よほど安全である。
それが、機関投資家は音楽が鳴っている間は、ダンスを踊り続けるとなっていく。
どの機関投資家もダンスを踊り続けていて、どこかでマーケットが暴落に陥ったら、成績悪化はみな一緒である。
それこそ、突然の暴落は不可抗力でしたの一言で済む。 年金など資金を預ける方も暴落では仕方ないなとなる。
おそろしく無責任であり、年金を積み立てている一般庶民からしたら、たまったものではない。
投資運用本来の姿からすると、マーケットが大きく跳ね上がったら適度に利益確定して、その後の下げに備えるもの。
ところが、日々の成績評価に追いまくられる機関投資家の運用者からしたら、さっさと売るなんてリスクは取りたくない。
自分の投資判断など封印して、ひたすらマーケットについていく。 それが世界の大半の機関投資家である。
ここへ来ての米国や日本の株価上昇も、マーケットから絶対に離れまいとする機関投資家マネーが、それを岩盤として支えている。
彼らが自分の投資判断を捨てて、マーケットにしがみついている。 だから、このバブル高が一向に崩れない。
そういったマーケット展開だが、だからといって永久に上がり続けることはない。
いくら資金的にマーケットを支配している世界の機関投資家たちが売らなくても、下がる時は下がる。
その下げに追随するのも、やはり機関投資家である。 むしろ、大慌ての売りでマーケットの下げを大きくしてくれる。
そんなヘボ投資をやっていて、本当に運用のプロかよだが、それが世界の機関投資家の現状である。
ずっと主張してきたカネあまりバブル株高も、自分で投資判断して行動しようとしない世界の機関投資家が支えてきた。
その大反転が、いよいよ近いと思われる。 われわれ本格派の長期投資家からすると、ずっと待っていた大反転だ。