例年だと夏枯れ相場に沈んでいるところ。 サマーラリーというのもあるが、お慰め程度の上げ相場。
なのに、今年は夏枯れどころか、大活況ともいえる相場展開が続いている。
どう見ても、カネ余りバブル高のマーケットが、しぶとく続いているといった展開である。
買い材料は、米FRBによる9月の利下げを期待するぐらいしかないのに、投資家たちはガンガンと買ってくる。
一部には、上げ相場しか知らない若い投資家層がどんどん買ってきており、新しい相場展開だという向きもある。
まあ、上げ相場が続いている間は勝てば官軍で、強気がすべてを押しつぶして前へ進む。
そういう時ほど、ちょっと長いめで相場の先行きを考えるといい。
自己顕示欲の塊のようなトランプ氏の支離滅裂な政策の乱発は、経済活動を混乱に陥れるだけ。
彼の仕掛けた関税引き上げ要求は、世界貿易や経済成長にとってブレーキとなるのは間違いない。
もちろん物価高も避けて通れない。 それは生活不安を招き、社会混乱や地政学リスクを高めかねない。
どれもこれも、企業収益にとってはマイナス要因となって、いずれ表面化してくる。
これら経済のファンダメンタルズ悪化のさまざまな要因を考えるに、株価の上昇はどこかで天井を打つしかない。
その天井がいつで、どのあたりかは、それこそ神のみぞ知るのところ。
とはいえ、そう遠くない将来に天井が訪れるのは容易に想像できる。
なぜなら、マーケットが湧き上がっている唯一の期待が9月の利下げで、せいぜい2~3週間先の話。
ということは、もういつこのカネあまりバブル買いが突然の終わりを向かえても、おかしくない。
まともな投資家であれば、さっさと利益確定の売りを出してマーケット離脱を図るところ。
しかし、機関投資家は「音楽が鳴っている間は、ダンスを踊り続けなければならない」で自分から売りには入れない。
世界の個人投資家の多くも、この40年越しの歴史に例のない上昇相場しか知らない。
それで、誰も利益確定の売りを考えようともしないから、このカネあまりバブル高は続いてしまう。
ある日どこかで、その時が来るのだろう。 買って買いまくっている上げ相場が、突然の売り地獄に転じるのだ。
そこから先は、売り逃げの殺到で凄まじい暴落相場となろう。
われわれ本格派の長期投資家は、いずれはじまる売り地獄の修羅場を、のんびりと横から眺めるとしよう。