アクティブ運用の大復活

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株式投資はもともと、将来に向けて成長力のある企業を選別した個別株投資が基本。

将来可能性が高い企業を個別に選び出して投資する、それをアクティブ運用という。

そういったアクティブ運用が、この40年ちょっとで、どんどん片隅に追いやられてきた。

反面、われわれのような本格派の長期投資家は、世界的にみても絶滅危惧種的な存在となってしまった。

一番の要因は、1980年代に入って年金資金の急速な膨れ上がりに対し、個別株投資が追いつかなくなったからだ。

個別株投資をするにあたっては、企業をしっかりと調査分析しなければならない。

いわゆるアナリストという人たちを養成するわけだが、一人前にするには7~8年はかかる。

また、個人の株式投資と違って機関投資家の場合は、運用を担当するファンドマネージャーも必要となってくる。

なのに、年金資金の急速な膨張に直面し、アナリストやファンドマネージャーが絶対的に不足しだした。

どうしようかで、コンピュータを活用するしかないということになっていった。

上手い具合に、年金マネーの急激なマーケット流入による強烈な株買いで、世界の株式市場は右肩上がりとなっていた。

株価全般が上がっていくのなら、別に個別株投資にこだわらなくても、マーケット全体を買えばいい。

株式市場全体の上昇に乗って投資するのなら、コンピュータでいくらでも対応できる。

かくして、世界の機関投資家を中心にコンピュータ運用が急速に普及していった。

同時に、インデックス運用やパッシブ運用が大きく花開き、機関投資家運用の大半を占めるようになった。

その横で、アナリストやファンドマネジャーに対する需要も、それほど切実ではなくなっていった。

これが、世界の株式市場や機関投資家運用の現状であり、かれこれ40年間も続いてきた。

ところが、カネ余りバブル高のマーケットが終焉を迎えたら、状況は一変する。

株式ならなんでもいいのバブル高に乗ったパッシブ運用やインッデックス運用は吹っ飛ぶ。

世界の株式投資は、もう否応なしに成長性のある企業を選別する投資に大きくシフトする。

アクティブ運用の歴史的な復権だ。 同時に、アナリストやファンドマネージャー不足が世界を覆うことになろう。

やはり、パッシブ運用しかない? 最低でも数年間は続く株式市場全体の低迷に、お付き合いするのならどうぞだ。

これは世界の機関投資家全般にだが、厳しい冬の時代が襲ってくるのだろう。

われわれ本格派の長期投資家からすると、当たり前の運用ができると、ご機嫌そのものだがね。