直販の投信、狙いは預貯金ツンドラだ

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さわかみ投信が設立当初からこだわってきたのが、投信ファンドを直販することである。

ずっと長期投資をやってきて、一番のネックと感じてきたのは投資家顧客からの雑音である。

雑音? 機関投資家だったら、毎年の成績を上げろとせっつかれたり、なんでこんなところで買うのかで説明を求められたりで、まともな長期投資ができない。

投信でも、マスコミなどから、この5年とか10年の成績はどうだったと、横並びの成績比較で煽られる。

どれもこれも、われわれ本格派の長期投資家からすると雑音でしかなく、運用の邪魔この上ない。

投資はいってみれば、将来の納得に対し、いまの不納得で行動するもの。

将来の納得とは、時間の経過とともに価値を高めていってくれるであろう投資対象を選別することだ。

時間はかかっても構わないから、価値が高まっていってくれれば、それなりの投資収益を期待できる。

一方、いまの不納得で行動するは、その将来価値を誰も認めない段階で、さっさと買い仕込みに入ることをいう。

世の中からみれば、なんでそんなゲテモノを買うのだ。 金をドブに捨てるようなものだと嘲笑されるぐらいで丁度いい。

誰もまだ価値を認めないから、こちらはずいぶんと安く、好きなだけ買い仕込める。

安い間に買っておいて、高くなるのを待って売るが投資の原点。 そのリズムを守ることが絶対的に重要である。

そのリズムを守るためには、投資家顧客がこちらの運用を信じて、のんびり構えてくれることが必須である。

それには、さわかみファンドの投資理念と哲学を前面に出して、ファンドを直販するのが一番。

それも、短期の投資収益を期待する方は、ご遠慮くださいと明示して、長期の投資家顧客一本に絞り込むのだ。

この方針を徹底させるには、ちょっとたりとも外部にファンド販売を委託するなどできない。

つまりは投信ファンドを直販するしかないわけだ。  その利点は、こんなところにもある。

個人金融資産の46~48%は昔から預貯金に収まって、まったく動こうとしない。 まさに、預貯金ツンドラ(永久凍土)である。

その預貯金ツンドラだが、ひたすら元本さえ安全であればで凝り固まって、ずっと低利回りに安住している。

それに対し、長期投資家顧客のみのさわかみファンドが、安定度も再現性も高い運用でそこそこの成績を出し続けたらどうなるか?

どこかで、さわかみファンドの方がいいぞ、他の投資商品とは別物だとなって、預貯金マネーからの流れ込みが始まろう。

1028兆円の預貯金マネーの1%とか2%が動いただけで、10兆円とか20兆円だ。

直販の本格的な長期運用投信だからこその、とんでもなく大きな可能性である。