米国の対日関税が15%で合意したとのことで、株価は急伸している。
それまでの、100%関税は論外としても、高関税を強いられる不安と不透明感が一掃されたのを好感してのこと。
といっても、15%の関税が課されることになるのだから、その対応が今後の課題となる。
自動車はじめ米国への輸出業者は、15%分の税率を上乗せした価格でもって商売を続けるのか。
それとも、利幅は下がるが値上げを抑えて米国の消費者へ訴えていくか。
各企業にとっての対応はまちまちとなろうが、米国の消費者もそれなりに負担が増す。
どちらにしても、15%関税の分だけは企業収益の悪化や物価高につながっていく。
ということは、あまり浮かれて株価上昇を歓迎している場面ではないはず。
そう、この株価上昇もそう長くは続くまい。 それどころか、これから業績悪化やインフレが重しとなってくる。
はっきりしているのは、トランプ政権による一連の場当たり的な政策によるマイナス面は、いよいよこれから表面化してくることだ。
トランプ大統領はしきりと利下げを主張しているが、関税効果が物価高に及んでくれば、むしろ利上げもあり得る。
そうなると、株価上昇どころか、大幅下落といった局面も想定される。
また、このまま移民の強制送還が続けば、労働者不足で米国の成長を阻害させかねない。
労働力不足は、これまたインフレ要因となってくる。
それ以外にも、いよいよこれからだろう。 トランプ大統領による場当たり的な政策の齟齬が表面化してくるのは。
どんな展開となってくるのかは定かでないが、マーケットには次々と売り要因を提供してくれるのだろう。
われわれ本格派の長期投資家としては、いつのマーケット動向に対してもつかず離れずのスタンスを守ろう。