株式市場は荒れ模様となっている。 でも、積み立て投資を続けていくなら、荒れ相場も歓迎。
なぜなら、株価が下がれば下がるほど、同じ積立金額でもより多くの株式を取得できる。
投信なら、購入口数をグーンと増やせる。 口数を増やせば増やすほど、上昇相場での評価額は高まる。
したがって、積み立て投資をしていれば、マーケットが下がっても嬉しいし、上がったら大満足となる。
というのが、株式や投信の販売サイドで、お決まりの積み立て投資セールストークである。
ただし、積み立て投資で成功するためには、やはり基本を守る必要がある。
その基本とは? 株式にしても投信にしても、長期的に値上がりが期待できるものにおいてのみ積み立て投資ができる。
株式投資なら目先の相場人気に乗っている銘柄などに積み立て投資したら悲劇である。
相場人気がはげ落ちるにつれて、株価は大きく下がる。 その下げ相場をどんどん買い増ししていくなんて最悪。
たしかに保有株数は増えるが、相場人気がはげ落ちた株式をずっと保有していたら評価損が膨れ上がるだけとなる。
投信においても同様のことがいえる。 日本の投信の多くがイベント追いかけ型の運用商品でもって大量販売を狙う。
いま投資家人気が沸騰しているテーマでもって新規投信を設定すると、確かに大量販売ができる。
しかし、どんな投資家人気もどこかでピークを打って、そこから先は売り主体の相場展開となっていく。
くだんの投信は基準価額をズルズルと下げていく。 そこを積み立て投資でどんどん買い増していくのだ。
投資家本人にとっては悲劇だが、まわりで見ているだけでも辛い。
かつて、1兆円ファンドとして大人気となった野村戦略ファンドは、他ファンドに吸収されることになった。
その点、ここへきて大人気となっているオルカンとかの世界インデックスファンドなら大丈夫?
本当に腰を据えて20年30年の長期間で積み立て投資を続けるなら、まあ良しとしよう。
それでも、日本の平均株価が昨年6月に34年ぶりの高値更新となったように、それだけの期間ずっと待てたかどうか。
そうなのだ。 本格的な長期運用を展開し続けていく体制を整えた投信にのみ、積み立て投資が勧められるのだ。
さわかみファンドが1999年11月に、日本はもちろん世界でも初めての投信積み立てサービスを開始した。
そのベースには、本格的な長期の投資運用を展開していく自信と覚悟があってのこと。
いま積み立て投信が大ブームとなっているが、それら投信のどれだけが30年40年と長期運用を続けていけるのだろうか。