儲けたい損したくないの投資家たちが群がり集まっていいる、それがマーケットである。
儲かると思えば、どんどん買ってくる。 損しそうだとなれば、大慌てで売り逃げに走る。
どちらの方向へも、何のためらいもなく移り変わっていく。
その変り身の早さ、ドライさこそが、マーケットの真骨頂である。
信条とか一貫性とかなど無用。 ひたすら儲かる方へ賭ける、損しそうだとなれば逃げるが勝ち。
そういったマーケットに対し、つかず離れずで自分のスタンスを守るのが、われわれ本格派の長期投資家である。
長期投資家は、マーケットの大きな流れを、それこそ20年40年スパンでみて、変わらぬトレンドを見定める。
変わらぬトレンド? そう、トランプがどうのこうのとかの目先のトレンドを越えた、本質的なトレンドだ。
たとえば、世界経済はなんだかんだありながらも、年にならすと3%~4%の成長を続けている。
そのベースは、世界人口の増加と、どこの国の人々もより豊かな生活を実現させたいとする願望に支えられている。
とはいえ、長い間には大恐慌や第1次第2次世界大戦といった超ド級の成長阻害要因も発生している。
それにもかかわらず、世界経済は拡大し続けている。 つれて、株価全般も長期的な上昇トレンドを描いている。
これが本質的なトレンドである。 その上に乗っかってくるのが、その時々の政治動向や株価変動である。
そして、多くの投資家たちは機関投資家を含め、その時々の政治や株価などのマ-ケット動向を儲けの対象としている。
いってみれば、大河の滔々たる流れが本質的なトレンドである。
それに対し、その時々の政治や社会動向、経済やマーケットの変動は、川面のさざ波にすぎない。
時として、さざ波が津波のように大きく高まることもあるが、底流をなす大河の流れは変わることなく続いている。
そういった本質的なトレンドの上に、しっかりと足を下ろして、水面のさざ波に対応していくのが長期投資である。
すなわち、10年20年の時間軸でみて価値が高まっていくと期待できるものを、皆が売っている間に買い仕込んでいく。
ということは、トランプ嵐が吹き荒れれば荒れるほど、われわれ本格派の長期投資家にとっての買いチャンスは広がる。
たとえ、大恐慌のような事態に陥っても、なんら慌てない。 地球上の人々の生活はなくなりっこないのだから。
それを支える企業活動も一時として止まらないし、われわれ本格派の長期投資家にとっては真骨頂発揮となる。