先進各国の金利引き下げ、どこまでやるの?

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 日本そして EU に加え、スウェーデンなどがゼロ金利政策に踏み込んできている。 イングランド銀行も必要とあれば、いつでもの姿勢。

 一方、米国は景気回復の兆しが強まっていて、いち早く無制限の資金供給やゼロ金利からの出口戦略に入っている。 かといって、金利引き上げにつながる政策を打ち出すに至っていない。

 先進国中心に尋常ではない金融緩和を続けているわけだが、その背景には日本のようなデフレ経済はなんとしても阻止なければの政策判断がある。

 デフレ阻止とは、経済活動を活発化させて物価や賃金が上昇し、それが更なる景気拡大につながる状況にまで持っていくということである。 そのためにも、資金を大量に供給して企業活動を活発化させたり、地価や株価を上向かせて資産インフレに誘導する必要があるということだ。

 それで、日銀の黒田総裁が異次元の金融緩和を強力に推し進めているように、ヨーロッパも追随してきているわけだ。 ところが、大量に資金供給しているものの、その効果がなかなか見えてこない。

 その横で、世界的な原油価格の大幅下落や資源価格の低迷で、むしろデフレ現象を加速させかねない状況下にある。 エネルギーや資源価格の低下傾向は、むしろ先進国のデフレ懸念を強めることになる。

 実に、悩ましい展開となってきているわけだ。 こういった時は、表面化している現象にとらわれず、物事を根っ子つまり本質から考えるようにしよう。

 物事を本質から考えるとは? なに、経済なんてものは人々の生活が集まったものであり、人々の生活が成り立つ方向へ流れ進んでいくだけのこと。 そのあたりを押さえて、なにごとも常識的に考えてみることだ。

 いま各国政府や中央銀行はデフレ阻止に躍起となっているが、それを横目に世界中の消費者は原油安や資源価格の低下を歓迎し、その恩恵を享受しつつある。 それが、いずれ経済活動の活発化となって表面化してくる。

 これは新興国のみならず、欧米先進国においても必ず起こる現象である。 なにしろ、生活コストが低くなるから、人々はそこで浮いてくる資金的な余裕を多方面に向けやすくなる。 つまり世界の景気は上昇に向かうわけだ。

 そうなってくるにつれ、先進国の中央銀行が世界中にばら撒いてきている資金は、がぜん動きを活発化させる。 いまは国債など安全資産へ逃避しているマネーだが、いつまでもリスク回避で小さくなっているはずがない。

 ということは、あり余っている世界のマネーが何かに向けて暴れ出す、つまりバブル現象もみられよう。 もう、そうなるとデフレをいう以上に、儲けのチャンスを見逃すまいとする動きが一気に噴き出そう。

 さてさて、そのあとはどうなるか? まだ現実的な問題にはなっていないが、この長期投資家日記でじっくり考えていくことにしよう。