長期投資の醍醐味を堪能しよう

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 皆さん、明けましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いします。 というか、われわれ長期投資家にとっては、いい意味で忙しくなりそうなので、この長期投資家日記を重用してもらい、実り多い年にしましょう。

 年賀状にも書いたが、今年はマーケットが荒れそう、されど長期投資家にとっては追い風の荒れ方となる。 したがって、腹を据えて長期投資を進めたいもの。

 実際、昨日の大発会から株式市場は大荒れのスタートとなった。 それをみて、「ほら、マーケット荒れ模様でしょう」と言いたいのではない。

 マーケットが荒れるというのは、世界の金融マーケットのこと。 それにつられて株式市場が昨日のように大きく下がったところは、長期投資家にとっては絶好の買い場となる。

 どういうことか、ゆっくり説明しよう。 先ずは、米国が出口戦略に踏み切ったことで、世界の金融マーケットは徐々に荒れ模様となっていく。 当初こそマーケットに微妙な影響を及ぼす程度だが、そのうち大混乱を引き起こすことになっていく可能性が高い。

 なにしろ、米国の金利は緩やかにでも上昇の軌道を描いていく一方で、EU や日本ではゼロ金利政策など超金融緩和の姿勢をいまだ続けているのだ。 

 この金利差は、米国へのマネーシフトを誘引することになる。 すると、EU や日本でいくら金融緩和を進めても、せっかく市場にばら撒いた資金はどんどん米国へ流出していって、景気回復に何ら寄与しない。

 一方、米国では世界からマネーが流入することで、せっかくの利上げも効果を削がれかねない。 それはマズイということで、米国は慎重にマーケット対応しながらも出口戦略を加速させよう。

 そうこうしているうちに、EU や日本で市場金利が上昇し始める。 国債など債券保有者が、より高利回りを求めて米国物へ乗り換えを始めるからだ。

 これまで保有してきた超低利回りの国債を売って、より利回りの高いものを買おうとする動きがひとたび出だすと、債券相場は総崩れとなっていく。 それが市場金利の上昇である。

 市場金利が上昇に転じるや、リーマンショック後の超低金利と異次元ともいわれる資金供給で成り立っていた世界の金融マーケットは、底が抜けた状態に陥る。 その辺りのところを、マーケットは荒れるよと言っているわけだ。

 われわれ長期投資家にとっては、マーケットがどれだけ荒れようと構わない。 なぜなら、世の中に必要な企業であれば、なにがあってもビジネスは続くからだ。

 それよりも、歴史的な流れからみた債券から株式へのマネーシフト、すなわちグレートローテーションが本格化するのだ。 その流れをしっかりとらえる方が、よほど重要である。

 ともあれ、実際には相当な荒れ模様となるから、さわかみファンドに乗船していてもらった方がいいだろう。 ここで、1兆円とか3兆円の軍資金が入って来ると、さわかみファンドはすさまじい勝負を見せてくれるに違いない。 それを一緒に楽しむのも悪くはないと思うよ。