われわれ長期投資家は、応援したい企業をしっかり選んで投資する。 長期投資でなくても、投資対象企業をいろいろな角度から選んで投資するのを、全部まとめてアクティブ運用という。
一方、平均株価などを投資対象とするのを、インデックス運用という。 コンピュータの普及に合わせて、1972年ごろから徐々に普及していったもの。
なかでも、米バンガード社の実質的創業者であるジョン・ボーグル氏が1976年に始めたインデックス運用ファンドの大成功が、最も有名である。
よく学者の間で、アクティブ運用はインデックス運用に勝てないといわれる。 運用成績を比較検証すると、歴然たる差が認められるという。
また、コスト差も大きい。 アクティブ運用は企業リサーチにコストがかかり、優秀なファンドマネジャーの確保も大変だが、インデックス運用はコンピュータにやらせるだけだから、それだけでも大きな違いとなる。
ここで一言。 学者の言うのは一般論であって、本物のアクティブ運用の凄さを知らないだけのこと。 先ず彼らが主張する統計データは、アクティブ運用の全体というか平均値をとったもの。
全体あるいは平均値をいくら語ったところで、なんの意味もない。 アクティブ運用というだけあって、ピンもあればキリもある。 キリの中には、運用が下手で消え去っていく寸前のファンドまでも含まれるから、平均値が低くなっても仕方ない。
ピンの方は、インデックスなど圧倒しているのがいくつもある。 さわかみファンドが好例で、設定来でみても軽々と平均株価の2倍を行っている。
また、企業リサーチなどアクティブ運用にかかるコストも日々の基準価額に織り込まれていく。 インデックスファンドより信託報酬が高いといったところで、基準価額がインデックスファンドの2倍を行っていれば、文句のつけようもないのでは。
今日のポイントは、実はここから。 アクティブ運用の凄みが出てくるのは、いよいよこれからである。 インデックス運用との成績差どころか、アクティブ運用ファンドの中でも大きな差が出るだろう。
そう遠くない将来、国債価格が下落に転じ、市場金利が急上昇する局面が訪れよう。 その時、株価が大きく値下がりする企業が続出し、株式市場は大混乱に陥るのは避けられまい。
そんな中、一部の企業の株価は早い段階でスルスルと上昇トレンドに入っていこう。 金利上昇などでも本業のビジネスがびくともしない企業へ向かって、投資マネーが集中するからだ。
市場金利が急上昇に転じると、いくら政府や日銀が政策金利を抑え込もうとしても、お手上げとなる。 それをみて、金融マーケット全体が右往左往の大混乱となり、行き場を失ったマネーが安心できる投資先を求めはじめる。
いまや国債も値崩れに入っていて、もうラストリゾートどころではない。 となると、残るは経営が安定している企業だけだ。 そういった投資選好が鮮明となる。
そんな修羅場、いまのところ現実的ではない? 一向に構わない。 いまでもしっかり成績を出しているのだ、その上でいずれ到来するであろう修羅場への対処もできていれば、鬼に金棒だろう。
まあ、修羅場となればなるほど、本物のアクティブ運用が存在感を示すだろう。 自分でいうのもなんだが、さわかみファンドの実力を世に知らしめることになるだろうね。