ひと昔前までは、”チリも積もれば山となる” で貯蓄に励もうというのが、国民の間に浸透していた。 みなまだ貧しかったが、懸命に働いて得た給料やボーナスの中から、ちょっとずつでも構わないから貯蓄しておこうとしたものだ。
いざという時のためにも、そして老後の備えとして、ある程度の貯蓄はしておいた方が身のためだというのが、国民の間でコンセンサスとなっていたという背景があった。
それが、60年代に入って年金の制度が整備され、積立てが本格化した70年代も後半ぐらいからは、チリも積もればはあまり言われなくなった。 それでも、貯蓄信仰は国民の間に定着していたから、生活で余ったお金は預貯金に入れておくのが、日本人のライフスタイルとしての定番となって今日に至っている。
今日のテーマは、チリも積もれば山となるの考え方を長期の財産づくりに生かしてみようということ。 貯蓄なんかにしておくより、はるかに大きな山となる。 自分たちの生活基盤である日本経済を、ずっとずっと元気にさせられる。
先ずは、優雅なる節約というものから始めてみよう。 1か月間の実験だという割り切りで、毎日の生活で当たり前のように出ていっている費用を、片っ端から削ってみるのだ。 これはゲーム感覚で構わないから、もう手当たり次第に節約するのだ。
洗濯や炊飯そして掃除などは、深夜の電力料金割引が効く朝7時までに終えてしまう。 お風呂は家族が入れ替わりで入って、追い焚きは極力しない。 甘いものは眼が欲しがっても、ぐっと我慢する。 飲み会も3回に1回程度にし、一杯やった後の仕上げのラーメンは無しとする。 こんな感じで、徹底的に削るのだ。
1か月間だけの実験だと思えば、結構おもしろがって超節約ができるはず。 1か月やってみれば、きっと驚くだろう。 びっくりするほど大きな金額が浮いてしまったことに。
そしたら、次のステップだ。 いろいろ削りまくったが、これだけは悲しかったとか、何とも侘びしい気持ちになったというものは、全部復活させよう。 一方、節約してみたがそれほど不自由には感じられなかったというものは、これまでずっと無駄をし続けてきたわけだから、ここで改めてサヨナラしよう。
どうだろう、結構大きな金額がなんの無理もなく節約できたではないか。 それを、まるまる長期保有型投信に放り込んでいくのだ。 毎月の積立て購入サービスを利用すれば、振込手数料は向こう持ちで投信を購入できる。
これを5年10年20年続けたら、長期投資の複利効果もあって信じられないほどの大きな財産が出来上がっているはずである。 もちろん投資の世界だから、必ずとかどれだけ殖えるとかの約束はできない。 しかし、相当に面白くなっているだろうというイメージは持ってもらえると思う。
大事なのは、本格的な長期保有型の投信を選ぶこと。 4000本ある日本の投信のほとんどが、2年半程度の寿命しかない。 あるいは、設定後3年ほどたったら大量解約と成績じり貧で、野垂れ死に状態になっているファンドがゴロゴロしている。 そういったものを購入したら、せっかくの優雅なる節約も仇花に終わってしまう。
優雅なる節約を本格的な長期保有型の投信に託して、ゆったりと長期の財産づくりを進めるって、素適だと思わない?
このあたりの勉強会を、今週の金曜日(25日)に銀座のポーラビル4階にあるメガネの三城のショールームで18:30からやります。 まだ30名ほど席の余裕があるので、よろしければどうぞ。