株式投資しないのが、本当のリスク

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 今日は、ちょっと本気で考えてみよう。 考えるといっても、ごく当たり前のことを当たり前に考え、それを自分の頭で整理するぐらいで十分。

 学者や専門家のように、やたら難しく考える必要はない。 自分の眼で見てもいないことをあれこれ想定して、そこへ消化不良のデータや経済理論とかを混ぜ込むと、かえって判らなくなる。 物事は基本に忠実で、単純明快が一番である。

 では、はじめよう。 いま、われわれ一般生活者は何をやっておくべきか? まず最初に、このままズルズルとしていて、何もしなかったらどうなるだろうかを考えてみよう。

 景気はどうもパッとしないし、給与所得はなかなか増えてくれない。 その横で、少子高齢化と高齢者人口の増加は着実に進んでおり、国の社会保障費負担はどんどん膨らんでいっている。

 国の財政赤字は先進国でも群を抜いて最悪状態にあり、それを賄う国債発行も日銀の国債買いに支えられているが、いつまでもその図式が持つとは思えない。 そして、年金もどこまで当てにして良いものか、さっぱりわからない。

 これらの生活者リスクは、ほとんどの人が薄々あるいは実感として共有できるはず。 では、そういった現在そして将来の生活リスクに対し、どんな自己防衛手段を講じているだろうか?

 しっかり働いて、なにがあっても食っていけるよう、自分や家族の収入基盤を盤石にしておくのは必須である。 そこまでは、みなそれなりに頑張っている。 願わくは、もう一段とピッチを上げておきたいもの。

 問題は、それだけで十分かどうかだ。 生涯現役を目指すにしても、いつ働けなくなるかは誰にもわからない。 その時のための備え、そして国の年金で当てにできない分の備えは、さあどうするのか?

 そう考えると、預貯金にボケーッと寝かしておくだけでは、とうてい間に合いそうにない。 やはり、好むと好まざるに拘わらず預貯金の大半を投資にまわして、長期的に資産増加を図らざるを得ない。

 ここまでは、静かに考えれば誰にも納得のいくところだろう。 次に考えたいのは、ではどういった投資をするのかだ。 当然のことだが、長期的にみてリスクの多い投資対象はすべて外して考えなければならない。

 となると、国債など債券は真っ先に外さなければならない。 なんとなれば、マイナス金利で保有していても得られるリターンは年0.1%にも満たない。 そんなリターンでは、100年たっても財産はほとんど殖えやしない。

 それよりも困るのは、国債の暴落リスクだ。 国債価格はずっと天井圏を這っており、いつ下落に転じるか知れない。 とてもではないがリスクが多すぎて、長期の財産づくり対象には入れられない。

 海外運用はどうか? みな気楽に外貨預金をもてとか進めるが、財産づくりで一番やっかいなのが為替変動リスクである。 歴史の教訓は、自分が生活していく通貨での資産形成が何よりも安心だということ。

 ここまで考えてくると、やはり株式投資を本気で進めるしかなくなる。 株式投資といっても、短期のディーリングから長期投資まで、いろいろある。

 そんな中、一番たしかで安全なのは企業の応援投資である。 世の中に何が起こっても人々の生活は続くし、それを支える企業活動は一時として途切れない。

 自分たちの生活に欠かせない企業を毎日の消費でも応援し、株主としても応援していく。 毎日の消費でも応援するから、そういった企業は潰れっこない。

 なにがあっても潰れっこない企業の株主になるということは、自分の財産の置き場所として最も安全といえる。 それも応援しようというからには、株価が暴落しているような時にどんどん買い仕込むから、高値つかみするようなこともない。

 そう、長期で企業を応援する株式投資をしておくことが、最も安全でたしかな財産防衛と増殖手段となるのだ。 それ以外のほとんどは、いろいろなリスクを抱えており、君子危うきに近寄らずの一言。

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