久しぶりの長期投資家日記

Browse By

 7月12日以来のブログで、今日は書くことが山盛り。 まあ、すごいスケジュールをこなしてきたから、あれもこれも書きたいことばかり。 そのうち、今日はいくつかに限定しよう。

 韓国の直販投信 Assetplus の5周年記念セレモニーは感激だった。 さわかみ投信を兄貴分として、長期投資専門の資産運用会社 Assetplus は5年前に直販投信を立ち上げた。 たとえ2人でも3人でも依頼があれば、韓国中どこへでもセミナーに出向きますよという姿勢で、地道かつていねいに顧客開拓してきた。

 いまや、3万人を超す直販顧客を擁して、韓国ファンド、中国ファンド、そしてグローバルファンドの3本を運用している。 運用成績にきわめて敏感な韓国の個人投資家を対象にして、長期の本格的な投資を訴えていくのは至難の業。 それでも、ここまで顧客層を広げてきたのは立派の一言。

 総帥である姜会長の情熱あふれるスピーチには、会場に詰めかけた800人を超す投資家顧客はもちろんのこと、 Assetplus の社員も皆が大きな夢に向かって頑張っていこうと、すごい盛り上がりを見せた。 こういう皆が一丸となった姿は、ハングル語がさっぱりわからない自分にもビンビンと響いてきた。

 直販投信というビジネス展開で本格的な長期投資を日本および韓国で広げていこうとしているわれわれの姿に、韓国のメディアは前々から大きな関心を示している。 セレモニーの前日に共同記者会見をしたが、それが当日の新聞で大々的に報道してくれた。

 記者の質問の中には、日本経済の見通しやアベノミクスに関して何か語ってくれというものもあった。 それに対し、政治や政策に頼るのではなく一人ひとりが前向きに行動すること、その一つが長期投資なんですよと答えたら、”では、さわかみファンドはどんな経済貢献をしているのか” という質問に広がていった。

 待ってましたとばかり、この5年ちょっと円高などの逆境に立ち向かってきた日本企業をとことん応援してきた。 その成果が、企業の業績そしてさわかみファンドの基準価額にいよいよ反映され始めようとしている。 経済の回復も民間の自助意識と積極果敢な行動あってのこと、その上にアベノミクスが乗っかってきているのが最近の日本である。 そう説明したら、記者の皆さん相当に納得してくれた。

 もう一つのテーマが、2泊3日の個人旅行。 60歳代で年金生活に入っている人たちが、どんな生活模様を織りなしているかにずっと関心を持っていた。 いずれ、その生活模様は様変わりとなるはず。 なぜなら、年金の支給開始年齢が65歳からとなり、そのうち68歳とかに引き上げられるのは眼に見えているのだから。 それだけ、年金生活に入る年齢が先送りとなるのは必至である。

 となると、すでに年金生活に入っている70代80代とは別に、60代の年金生活模様なんてのは見れなくなるはず。 よく団塊の世代より上は逃げ切り世代といわれるが、いまギリギリで年金生活に入った人たちの姿って、もう見納めとなるわけだ。 これから先、60歳代のほとんどは68とか70ぐらいまで何らかの仕事をすることになるのだから。

 一緒に旅行して、じっくりと観察させてもらった。 皆さん現役のころのバリバリ感は抜けて、穏やかにゆったりとパック旅行を楽しんでおられた。 おそらく、そういった生活がこれから20年とか30年ほど続くのだろう。 それは、それでいい。 もっとも、年金財政が保ってくれればの話だが。

 一方、団塊の世代以降の人々の年金生活とはどんなものになっていくのだろう。 年金の給付開始まで、65歳はおろか68歳ぐらいまでは働き続けなければならない。 その後、70歳をまたぐ年になって晴れて年金生活に入るわけだが、どんな生活模様となっていくのか興味津々である。

 また、68歳ぐらいまで仕事を続けるとなると、若い人たちの分を含め雇用機会をどう増やしていくのか、大きな社会問題となるのは避けられない。 そして、ここから10年もしないうちに、日本人の生活模様が様変わりとなるはず。 こういった社会変動は、企業経営にも長期投資にも大きな影響を及ぼすことになるから、今のうちから想像力をたくましくして、いろいろ考えておかなければならない。