直販投信8社の代表者が3ヶ月ごとに集まる会議が昨日あった。
直販とは文字通り投信を投資家顧客に直接販売するをもって、
ビジネスとしようとしている投信会社である。
日本の投信ビジネスは、
昔から販売手数料や信託報酬などを稼ぐことを主目的としてきており、
投資家顧客に次から次へと新しい投信ファンドへ乗り換え営業させるのが、
日常業務となっている。
そういった投信を購入して短期的に売却益を手にできれば、
投資家としても文句はない。
しかし、投信ファンド購入も投資であるから、
いつもいつもリターンを手にできるとは限らない。
一方、販売サイドにとっては投資家顧客が儲かろうが損しようが、
ファンドを売っただけは必ず手数料が転がり込む美味しいビジネスである。
投信会社も運用の専門家を自負してはいるものの、
証券や銀行それに郵便局などがファンドを売ってくれて、
はじめて運用資金を手にできる。
だから、販売サイドが営業を掛けやすい商品設計に傾きがちとなる。
販売しやすい投信ファンドとなれば、
その時々の人気テーマを追いかけるに限る。
ということは、
いま市場で盛り上がっている投資テーマに沿った投信を設定することで、
投資家人気を集め大量販売してもらえる。
その結果として、多くの新規投信が相場のピークで続々と新規設定されては、
高値づかみをしてしまう悪循環となる。
これでは、投資家にとっては堪らない。
投信を買っても販売サイドに稼がれてしまうばかりで、
なかなか儲けさせてもらえない。
一般生活者にとっても、安心して財産づくりを託しようがない。
そういうことなら、いつもいつも稼がれてしまう人々の味方になれる、
真に投資家顧客のための投信会社を設立すればいいじゃないか。
普通の生活者が安心し信頼して財産つくりを託せる、
長期保有型の投信ファンドを世に出せばいいじゃないかというこてで、
さわかみファンドが生まれた。
同じ志で、7社が続いているわけだ。
日本で初めて投資家顧客に直販する投信をやるといっても、
道は茨の山だった。
営業など販売活動はしないで、ひたすら長期投資を訴えるだけ。
すこしずつ世の中の認識を高めることで、
運用資産額を増加させていくというのは簡単だが、やってみると大変。
さわかみ投信も黒字化するのに時間がかかったが、
後に続く7社は今まさに悪戦苦闘中である。
しかし、
いかに経営が苦しかろうと本物の投信文化を日本に根付かせるためにも、
ここで折れるわけにはいかない。
もう戻りっこない道を歩んでいるのだ、
とにかくわれわれの志し純度を高めていこう、
地道に長期投資を訴えていこうと、昨日も皆で確認しあった。