起業やベンチャー、これからますます

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 昨晩は女性経営者を中心とした勉強会をした。 (男性も結構いたけどね) 軽くワインを飲みながらというのも手伝って、内容はずいぶん濃いものになった。

 一番のテーマは、成熟経済の面白みと想像以上のダイナミズムである。 ホワイトボードに図を描いて説明したが、どこの国も発展段階から高度成長期を経て成熟経済となっていく。

 それにつれて、経済成長率は鈍くなっていく。 成長率を見る限り、新興国の勢いの方に人々の関心が集まるのは仕方ないこと。 まして、中国・インド・インドネシア・ナイジェリアといった人口大国の将来可能性は、誰もが認めるところである。

 しかしだ、国民一人あたりの経済規模となると、話はまったく違ってくる。 それでいくと、日本や欧米の国民は中国の7倍から8倍の生活水準を謳歌している。

 もうすでに出来上がっている生活経済の規模は、将来にわたってずっと維持されるのは間違いない。 なぜなら、どの人も貧しくなりたいとは思わないし、現在の生活水準をなんとしても守ろうとするからだ。

 たとえ、日本の人口が現在の1億2615万人から2050年には1億人を切って、それで日本経済の規模が縮小することになっても、国民一人あたりの経済規模つまり購買力が縮小するなんてことは絶対にない。 むしろ、少しずつ拡大することになる。

 ということは、2050年の時点でも日本は世界16番目ぐらいの人口大国であり、国民一人あたりの生活経済は世界最高水準にあり続けるのだ。

 その中で、これは成熟経済の特徴だが、耐久消費財への支出は相対的に減っていく。 欲しいものが大方行き渡って、買い替え需要が主体となるからだ。

 そうするとだ、世界最高水準の購買力がどこへ向かうかは、途方もなく大きなビジネステーマとなっていく。 それは、多くの企業にとって死活を制する挑戦ともなっていく。

 否、起業を志す人やベンチャー企業にこそ、チャンスが燎原の火のように広がるのだ。 なにしろ、相手は世界最高水準の購買力を持っている1億人強の生活者一人ひとりなのだから。

 かつてのような、大量生産大量販売の図式はどんどん影を薄めていく。 その横で、個人個人にきめ細かなサービスを提供する、小ぶりのビジネスがあちこちで花開いていくことになる。

 もちろん、サービス産業がすべてではない。 モノづくりだって、世界の誰もが真似のできないレベルであれば、いくらでも可能性は広がる。

 材料・部品・加工技術のどれをとっても、これまでのように下請けや孫請けに甘んじる必要はない。 インターネットを通して、自社の技術をいくらでも国内のみならず世界に発信できる。

 そういうことで、起業やベンチャー支援もこれからますます大きなテーマとなっていく。 11月6日(金)、11月27日(金)、12月14日(月)の3回にわたって、夢アカデミーが開催される。 興味ある方は、さわかみ一般財団のHP をみてください。