ドル円レートが再び77円台に入ってきた。
米国の債務問題が、政府と議会との綱引きの間で揺れている。
それを材料に、
格付け会社が米国債をトリプルAから引き下げる可能性を示唆しているのが響いて、
ドルが売られているわけだ。
8月2日の期限までに政治決着を見せないと、翌日からの予算執行ができなくなる。
公務員の給料支払いの遅延とかいろいろ問題が噴出してくる。
また、世界で最も信頼度の高い米国債が格付けを引き下げられたりしたら、
世界の金融市場に大きな混乱をもたらすことも懸念される。
それは絶対に避けなければと、どこかで政治的な解決を見るのだろう。
あるいは、スッタモンダしながら8月3日以降の混乱を迎えるのかもしれない。
どう転がるかは、この一週間で決まる。 ドル円レートも上がったり下がったりで予測はできそうにない。
ここまでは、どこでも見られる普通のコメント。
それはどうでも良いこと。
もっと根本的に円高とか円安の為替レートを考えてみよう。
われわれ日本人にとっては、円の価値や為替レートは生活に直結する大事なものである。
しかし、それは地球上69億強の人口のうち、たった1億2730万人の人々の気持ちでしかない。
残りの58億人にとっては、円はただ単に投資対象のひとつに過ぎない。
為替も含め、マーケットは力である。
1億2730万人の切なる思いに対し、
他の58億人による儲かるか損するかの打算とでは、どちらが強いかは考えるまでもないこと。
われわれ日本人が必死の思いでドル円やユーロ円レートを追いかけるのとは違い、
彼らは儲かるか損するかで為替を見ている。
儲かると思えば円を買ってくるし、売った方が儲かりそうなら円を売ってくる。
彼らにとっては円高円安どちらでも構わない、ただ儲かるかどうかだけだ。
それに対して、日本は生活をかけて必死に為替変動に対処しようとする。
残念ながら、それは多勢に無勢で勝負ははじめから決まっている。
日本の思いを世界が聞いてくれるなんて、期待するのは大いに甘い。
そう、為替はどう転がるか知れたものではないのだ。
円高とか円安とかを一生懸命に予測するよりは、
われわれは円高なり円安なりの状況に対応した合理的な行動をするだけのことだ。
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