プライベートバンキング

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先週の土曜日、久しぶりにプライベートバンキングについて持論を述べる機会があった。

こちらは、1979年からやっているので、

日本におけるプライベートバンキングと称するビジネスの草分けみたいなもの。

当時は、そんな英語は誰も理解できなかったから、

富裕層に対する特別サービスとか、いろいろな造語を考えたものだ。

 

その仕事は、1996年6月に前職を辞めた時をもって一段落とした。

一般生活者のための投信というビジネスを、日本で本格的に普及させたい。

その思いを実行に移すために、スイスの銀行の日本代表という地位を捨てた。

そこで生まれたのが、さわかみファンドである。

 

実は、個人の財産づくりを本格的な長期投資でお手伝いさせてもらうというのは、

プライベートバンキングの第一義的な仕事なのだ。

これまでの日本の富裕層は、日本経済の長期高度成長に乗っかって財を成した方々がほとんど。

どうしても、いまある資産をどう守っていくか、どう節税していくかに関心が集中する。

それは、資産を固定化してできるだけ静かにしておく方向で、

財産を次世代に相続させたいということになる。 

 

これは、つまらない。

お金というものは、経済の現場にどんどんまわしてやる事が重要。

それを先頭に立ってやっていくのが、富裕層の役割なのだ。

財産は守るのではなく、積極的に経済の拡大再生産を目指べく動かしてやらなければならない。

経済のパイが大きくなれば、

世の中の人々はどんどん豊かになれるし、結果として自分の資産もさらに増える。 

 

長期投資においては、税金も手数料の一部ぐらいの感覚でしかない。

節税節税で小さくうずくまるよりも、手持ち資産を経済の拡大再生産に向けてやって、

大きく稼ぎ税金でも何でもさっさと払ってしまう方が、よほど大きな財産づくりとなる。

しっかりと本格的な長期投資しておけば、

景気変動やインフレにも乗れてしまうから、資産の保全にもなる。

 

そう、

さわかみファンドは限りなくプライべートバンキング的なサービスをお届けしようという意思を持って設定された。

それも、これまでの富裕層を対象にするのではなく、

市井に生きる普通の人々が本格的な長期投資を通じて、成熟経済日本を元気にさせつつ、

それぞれの財産づくりを進めてもらうのだ。

みなさん日本の将来に責任をもてる、まさに富を持つにふさわしいプチお金持ちになろうではないか。