出来上がってくるのを見て、世の理解と賛同者がついてくる

Browse By

  【広告】さわかみグループが支援した映画「ザ・テノール」のDVDが1月28日に発売! あの感動をぜひもう一度!! 特典映像には、ベー・チェチョルさんの全盛期から病気の瞬間、復帰、現在までの実際の映像を収録。 必見です。 http://scpshop.jp/

 【注意】下記の内容は澤上篤人個人の見解であり、さわかみ投信株式会社の考えおよび「さわかみファンド」の運用を説明しているものではありません。 個人の真意を尊重するため、原則、文章の修正はせずにブログを公開しております。

 長期投資も事業も、いま現在における世間の納得を求めている程度では大成しない。 いま現在における世間の納得は、たいていが株価や業績に表れている。

 それを見て行動するのは短期投資やディーリングであって、長期投資ではない。 あるいは、先読みのできないヘボ経営者である。

 具体的にみてみよう。 長期投資でいうなら、中国リスクやらなんやらで株価は下がっている。 それが、いま現在の世間の納得である。

 その横で、将来が楽しみな企業はというと、世界経済の長期的な成長に焦点を当てたビジネス戦略を積極的に展開している。

 ただ、業績にはまだ反映されていないし、株価も中国リスクとやらに押されて低迷している。 この段階で買い仕込みを進めるのが長期投資である。

 そのうち、マーケットが落ち着きを取り戻し、株価全般が上昇に転じてくるや、多くの短期投資家や株式ディーラーたちが大慌てで買ってくる。

 これが、その時点での世間の納得である。 マーケット全般が多くの投資家による買い急ぎで沸いている中、われわれ長期投資家はニンマリとしている。

 事業でいうならば、「なんでそんなことするの」 といった反応があれば、まだマシな方である。 「そんなこと、止めておいた方がいい。 失敗するだけだ」 といわれるケースも多い。

 その段階で、あえて「やってみよう」と一歩踏み出すのが事業というものである。 事業家には出来上がりの「大よそ」が見えている。 そして、そこへ向かってしゃにむに進んでいく情熱とエネルギーにあふれている。

 とはいえ、出来上がりの「大よそ」を語ったところで、ほとんどの人の眼には非現実のものとしか映らない。 つまり、語っても無駄、時間のロスでしかない。

 では、どの段階から世間の理解や納得が高まるのか? 姿かたちが見え始めてきたころからだ。 その頃から、徐々に賛同者が増えだす。

 そう、長期投資も事業も動き出すときは、いつでも自分一人の判断で一歩踏み出す。 その時、将来への読みと勇気のみが支えである。

 まわりのほとんどが理解できない、むしろブレーキをかけてくれる。 それでも、あえて前へ前へと進んでいく。 それが、長期投資家や事業家というものである。