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昨日のセミナーは素晴らしく盛り上がった。 「長期投資をやってみよう」、「長期保有型の本格派投信を買ってみよう」という意識の高まりが、会場にあふれんばかりだった。
投資の世界だから、成績の約束はできないし、リスクはないと断言はできない。 それをわきまえた上でだが、さて本格的な長期投資にどんなリスクを認識しておいた方が良いのかという質問があった。
景気や金利の大きなうねりを先取りするようにして、投資対象を株式→現金→債券→株式と順に切り換えていく。 これを、アセットアロケーションの切り換えというが、長期投資の運用で根幹をなす考え方である。
アセットアロケーションの切り換えをきっちりやっていくことが、最も合理的な投資運用となり安定的な成績の源泉ともなる。 また、そのまま時間分散ができてしまう。
バブルが崩壊して25年になるが、日本経済はずっとジリ貧と低迷に喘いでる。 つまり、景気回復に向けいろいろな対策が打たれるし金利も低いから、株式100%の運用方針でいく。
一方、こんな低金利下で現金を持っていても運用にならないし、債券投資など利回りも低いし将来の金利上昇局面で値下がり損を食らうだけのこと。 アセットアロケーションの切り換えからすれば、絶対にやってはいけない投資といえる。
実際、さわかみファンドは設定来ずっと株式投資一本ヤリできたが、ただただアセットアロケーションの考え方に忠実であっただけ。 それが、年率複利で4.4%という堂々たる成績につながっているわけだ。(2016年1月末現在)
次に大事なのは、株式投資の銘柄選択である。 目先の業績を云々するのではなく、生活者にとって欠かせないビジネスを展開し、長期的な成長が期待できる企業を厳選する。 いわゆる生活者目線で応援したくなる企業を選ぶわけだ。
その上で、株式市場の暴落で株価が大きく売り込まれたところを狙って、たっぷりと買い仕込む。 まさに、応援買いだ。 皆が売るなら売れ、こちらは断固として応援買いを入れてやるぞの気概でもって。
そして、経済情勢や投資環境の回復で株式市場に買い手が群がり集まってくるのを見計らって、薄く薄く売り上がっていく。 にわか応援団が大挙として出現してきたから、しばらくは応援を彼らに任せようということだ。
なにかの加減で、にわか応援団が泡食って売り逃げに走り出したら、再び真打の応援団の出番となる。 このリズムを守っていれば、ごく自然体で投資の基本である「安く買って、高く売る」ができてしまう。 どこにも無理がない。
先物やオプション、デリバティブといったものには一切手を出さず、現物株投資のみでいく。 それでも、気がついたらさわかみファンドは平均株価に対し2倍の差をつけている。 これが、本格的な長期投資の凄いところである。
とまあ整理してくると、冒頭の質問に答えるに、「投資家の皆さんのためらいや、うじうじしているのが一番のリスクでしょう」となる。 行動しなかったら投資にならないのだから。
とりわけ本格的な長期保有型投信なら、もう信じて託すだけである。 最近の波乱相場でも、運用サイドがしっかり買ってくれているのだから。