海外からの日本国債購入が増加

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 日経新聞によると、海外の投資マネーが日本の国債購入にずいぶん流れ込んでいるとのこと。 ドイツやオランダなどヨーロッパ各国の国債がマイナス金利になっていて、超低利回りの日本国債であっても投資妙味は十分にあるという算段だ。

 マイナス金利とは、国債を購入して一定の利金を受け取るどころか、支払わなければならない状態を指す。 つまり、国債を購入しても追加の支払いをずっと続けなければならないということで、わざわざ損する投資をするというわけだ。

 それでも、ドイツやオランダといった財政不安のない国の国債であれば、なにが起こっても安心である。 一定の利子を払い続けても、安心には代えられないとする投資家が多いからのマイナス金利である。

 この現象は軽く受け流さない方がいい。 米国の FRB 、日銀そしてヨーロッパ中央銀行が未曽有の資金供給と国債の大量購入に走った。 それが先進国中心に金利低下を促し、マイナス金利にまでなっているわけだ。

 政策の意図は、大量の資金供給でユーロ危機といわれる信用収縮を防ぎ、日本のデフレの二の舞にならないようにすること。 本来ならば、経済の現場に資金が回っていって経済活動を活発化させたいところ。 

 それが現実は、大量に供給されている資金の多くが国債購入に向かっているのだ。 なんのことはない、国の借金証文でしかない国債を、わざわざ金利まで支払って保有しようとする。 その心はというと、今後なにが起こるか知れないから安全を重視して国債で運用しようということなんだろう。

 しかしだ、マイナスの利回りということは、それだけ国債価格は高値を追っていることでもある。 多くの投資家が天井高の国債に買い群がっているのだ。

 これはどう考えても、バブル高である。 大量に供給され、しかも価格が天井高を続けているなんて以上である。 どこかで異常は是正されることになるのは、歴史の示すところである。

 いつのバブルもそうだが、はじけた後になってバブルだったと認識されるもの。 現在進行形の国債バブルも、同じ道をたどっているのだろう。