金利上昇は想定内

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 長期金利の指標ともいえる、10年物国債の利回りが昨日フワーッと上がった。 それに反応して株価は大きく下げた。 先物の売りが集中したもので、短期張りの投資家やヘッジファンドなどが機敏な動きを見せたというところか。

 1月に長期債利回りが0.195%という史上最低値を記録したが、その後も0.2%台をウロウロしていた。 そこからみると、昨日の0.3%台というのは急騰といいたくもなろう。

 市場の価格変動をとらえて利ザヤを抜こうという連中にとっては、0.07%ポイントの金利上昇でも大きなイベントである。 指をくわえて見逃すなど、あり得ないこと。

 そういった連中は金利上昇つまり債券価格の下落に乗って、債券を売り崩しにかかる。 同時に、株式先物など連動安しそうなところを、先物市場を駆使して売ってくるわけだ。 それが昨日のような下げにつながるのだ。

 本来なら、われわれのような長期投資家が、それをみてドカーンと買いを入れてやる。 すると、連中は震え上がってやみくもな売りを手じまおうとする。 残念ながら、日本では長期投資家の力が弱いから、連中の好き放題を許してしまっている。

 ともあれ、昨日のような金利上昇はまだまだ序の口である。 以前から繰り返し書いているように、いずれ長期金利はかなりの高水準にまで上がっていく。

 どのくらいの金利上昇かって? まあ、日銀の黒田総裁のいう2%インフレ目標など軽く超えていくことになる。 現時点では想像もできないだろうが、長期債の利回りが7%や8%に上昇してもおかしくない。

 何故かって? 800兆円を大きく超すほどに大量発行されている国債が本格的な値崩れを始めるや、債券市場全体が総売り状態に陥ってしまう。 もうそうなると、買い手は存在しないから国債など債券価格は奈落の底へ落ちていく。 

 債券価格と長期債利回りは反比例するから、債券価格の棒下げが長期債利回りを7%や8%、流れによっては10%台にまで跳ね上げてしまうこともあり得る。

 さてさて、これら一連の動きは国債など債券投資家にとっては悪夢以外の何物でもない。 一方、われわれ長期投資家にとっては痛くもかゆくもないマーケット現象である。 なぜなら、こんな超低利回り時には国債など見向きもせず、資金を100%株式保有ならびに安値買い増しに振り向けているのだから。

 ただしだ、債券市場の急落は株式市場にも暴落要因となる。 それは、上に書いた目先張りの連中が売りを仕掛けてくるからだ。 もちろん、われわれ長期投資家にとっては絶好の買い場となる。

 これらのすべては、長期投資家にとっては想定内の展開である。 これから徐々に、われわれの読みが現実になっていくのだろうが、大きな投資チャンスにゆったりと乗っていこう。 さわかみファンドをしっかり買っておいてもらえたら、すごいことになると思う。