応援投資という成長戦略

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 総選挙で安倍政権の地固めができた。 いよいよ政府は本格的に成長戦略を進めることになるのだろう。 これまでも成長戦略に関しては、いろいろな作文が上がっている。

 それらのどれもが、お題目はその通りと納得感がいくけれど、どう具体的に実行していくのかはっきりしない面が多い。 それもそうだろう、ビジネスを知らない政治家や官僚による作文でしかないのだから。

 いつも書いているように、成長戦略は事業家に任せることだ。 国や役所のやるべきことは、徹底的な規制緩和と減税だけでよい。 後は、事業意欲にあふれる企業や個人の自発的な行動に任すだけのこと。

 彼らの事業意欲とビジネスセンスが、新しい商売や産業を次から次へと生み出してくれる。 そういった自発性こそが、経済活動の原点なのだから。

 そこへ、もうひとつ付け加えたい。 個人や家計による企業応援投資だ。 国が先導する形で、応援したいと思う企業の株主になろうというキャンペーンを大々的に展開するのだ。

 成長戦略という作文を国や役所が連発するよりも、応援株主になろうよというキャンペーンの方がはるかに具体的で現実味がある。 そのインセンティブとしては、7年以上保有した株式に関しては売却益課税をゼロにするだけでよい。

 主たる目的は、809兆円という個人の預貯金マネーの2%でも5%でも長期の株式保有に向かわせるところにある。 2%だと16兆円、5%だと40兆円もの巨額資金が株式投資を通して、日本経済の現場に放り込まれることになる。 もうそれだけで、とんでもない経済活性化が期待できる。

 株を買っても、売った人の手に現金が移るだけではないのか? 一向に構わない。 先ず第一に、7年以上は保有しようとする株主の手に株券が渡ることで、それだけ株式市場における短期売却圧力を減らし、株価の下値を岩盤にできる。 つまり、新たに株式投資する安心感が高まる。

 第2に、売った人が得た現金を消費や再投資にまわせば、その分だけ経済活性化要因となる。 第3に、たとえ売った人が得た現金を預貯金に向けたとしても、同額の資金が長期の株式保有に入れ替わった事実は残る。

 おそらくだが、預貯金の2%とか5%どころではなく、10%あるいはそれ以上の巨額資金が長期の株式保有に向かうだろう。 なにしろ、個人マネーが株式の長期保有に向けられれば向けられるほど株価は上昇し、株価の順調な上昇トレンドが更なる株式投資を誘う展開となるのだから。

 80兆円とか100兆円の預貯金マネーが尻上がりに株式市場へと向かえば、株価上昇による消費の拡大のみならず日本経済全般が活況となる。 デフレなど影も形もなくなっている。

 プラス効果は多方面にわたって浸透していく。 当初は一部の個人に恩恵は集中するかにみえるが、徐々に国民全般にも新たなる富は行き渡っていく。 経済活性化とはそういうことである。