よく、日本の常識は世界の非常識といわれる。 日本ではごく普通にとらえられていることが、世界からみると信じられないとされてしまうケースが結構あるのだ。
世界の非常識を超えて異常にしか映らないのが、日本の人々の安穏さである。 その最たるものが、809兆円の預貯金マネーである。 世界でも断トツの金額である。
国民一人当たりにすると、637万円という巨額な預貯金残高となる。 ちなみに、世界第2位の個人預金残高を誇る米国では、一人当たり180万円前後でしかない。
その預貯金残高から売る利子は年0.02%でしかなく、全体で1610億円ほどで国民一人当たりにすると1、274円に過ぎない。(いずれも税込)
お話にならないような低収入しか得られない預貯金に、国内総生産 (GDP) の1.7倍の資金が眠らせたまま。 それで、なんとも思わない国民なんて世界にいやしない。
高齢者層が預貯金の大半を所有しているから? たしかに、預貯金残高の60%ちょっとは60歳以上の人々が保有している。 その高齢者層の多くが、いまや将来の年金不安に脅え始めているではないか。 自分の年金は減額されるのではとか、長生きリスクとかを案じる高齢者層が増えている。 なのに、虎の子を預貯金に寝かせたままなのだ。
また、預貯金の40%弱を保有する現役層も、年金は当てにできそうにないと分かってきてはいる。 それでも、預貯金から一歩も出ようとしない。 生活が大変で投資までは手が回らないというが、では将来の生活はどうするのか考えようともしない。 自分の将来なのに。
デフレが続いたから、預貯金の方が価値があった? そのデフレを克服しようと、日銀は2%インフレ目標に向かって異次元の政策を連発しているではないか。 異次元というと聞こえはいいが、”その後どうなっても知らないよ、とにかく2%のインフレ達成だ” で突っ走っているのだ。
そう遠くない将来に2%の物価上昇は現実となろう。 その時は、預貯金の利子の100倍の物価で生活することになる。 それだけ、預貯金の価値が下がってしまうのだが、まるで他人事のようにのんびり構えている。
黒田日銀総裁の、その後どうなっても知らないよの異次元緩和は、いろいろな副作用を呼び込もう。 その第一が、円安である。 円安が進行する分だけ、輸入インフレを引き起こすわけで、それが家計を圧迫し始めるのは時間の問題である。
そうなればなるほど、預貯金に一人あたり637万円も寝かせておく安穏さが、そのまま国民総ユデガエルへ一直線となる。 まさに、異常である。
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