直販投信そろそろ大きく羽ばたくぞ

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 直販投信は、いま8社で14本のファンドとなった。 直販投信とは一般的な投信ファンドのように証券や銀行などの販売力に頼らず、自分たちで投資家顧客に届けようとするもの。

 直接に顧客と接するから、それぞれのファンドを設定した意義や理念、さらには誰のため何のために投信をやっているのかを、しっかり語ることができる。 それが、直販投信の一番大事なところである。

 とはいえ、日本で直販ファンドはマイナーもいいところ。 14本併せても運用資産額は、投信業界全体の資産の0.5%ほどでしかない。 まったくのゼロ状態から、この14年間で0.5%にまで育ってきたのは立派だが、まだ大した存在ではない。

 世に4000本ほどある投信ファンドのほとんどは、証券会社や銀行などが販売手数料を稼ごうとするビジネス戦略の中にある。 どのファンドもより安定的に高い運用成績を目指すとか顧客の利便性を謳っているものの、それは販売トークの一環としてである。

 一方、直販投信はどこも販売手数料をいただいていない。 投資家顧客に訴えるのは、しっかりと長期投資をして財産づくりを進めようよ、そのお手伝いをさせてもらうのがこのファンドですよという一点のみ。

 だから、世間一般の投信ファンドと直販投信とは、ためしに1万円ずつ購入してみれば違いがすぐ分かる。 証券や銀行が販売するファンドは購入した段階で、手数料を稼ごうとする彼らの目的はほぼ達成となる。 後は、いつまで保有するとかどんな風に財産づくりが進んで行くかとかは、投資家さん好きに判断してと放り出される。 あるいは、次のファンドに乗り換えさせる営業はしっかりやってくれる。

 その点、直販ファンドはお客様が購入していただいた瞬間から、財産づくりの長期航海を御一緒しましょうと、長いお付き合いが始まる。 財産づくりの旅の間には山あり谷ありだが、苦しくてもブレルことなく頑張ろうねというメッセージが毎月のレポートで届けられる。

 ここまで書けば、一般生活者にとってどちらの投信の方が自分たちの味方かは一目瞭然だろう。 惜しむらくは、直販といっても営業などの販売活動をやらないから、一般生活者の真の味方だよということが、なかなか広く世間に伝わらない。

 それでも、長期投資の成果はどの直販ファンドでも着実に積み上がってきている。 たとえば、さわかみファンドは純資産額2000億円以上の大型ファンドで抜群の運用成績を誇る。 その辺りの認識が世間で高まってくるのは、そう遠くないことだろう。

 販売手数料はゼロで、信託報酬も低く運用成績も良い。 乗り換え営業などあり得ず、どっしりと長期の財産づくりしましょうと静かに訴えている直販ファンドが、いつまでも投信業界で0.5%の存在でしかないなんて、世の許すところではないはず。

 今日の夜はインベスターズTV の生放送。 8時からなので、ぜひご覧ください。