今日から事実上の新年相場が始まる。 証券税制の軽減税率が適用されたのも、昨日の売り約定まで。 今日の売買約定からは新年の受け渡しとなる。
さて新年相場だが、例年この時期は専門家や識者による株価全般の予想や見通しが特集される。 自分のところにも数か所から、平均株価の予想を見立ててくれといった依頼が舞い込んでいる。
申し訳ないが、平均株価の予想数字だけ出してくれといった依頼はお断りしている。 そんなもの、投資家にとっては何の意味もないからだ。
たとえば日経平均株価だが、その上下変動に大きな影響を及ぼす2社か3社の株価次第で100円ぐらいは簡単に動いてしまう。 そんな平均株価の値動きで全体をみようなんて、暇な人たちの予想遊びにすぎない。
大事なのは、来年再来年の投資環境がどんな展開となっていくかの読み、あるいはストーリーの組み立てである。 当然のことながら、いろいろな変動要因も読み込みながら、何通りかのシナリオを用意する必要がある。
なかでも、いずれ時間の問題で現実となってくるであろう変動要因は、今の段階から長期投資シナリオの骨子として組み込んでしまう。 その変動でわれわれの長期投資が土台から崩れては、お話にならない。 だから、そういったリスク要因は今のうちに削り落としておくのだ。
たとえば、長期金利の上昇。 現時点では国や日銀による異次元の金融緩和政策もあり、政策金利はもちろんのこと長期金利も超のつく低水準にへばりついている。 機関投資家をはじめほとんどの投資家が、この金利水準は当分続くと想定したシナリオを堅持している。
われわれは違う。 アベノミクスも黒田異次元緩和も、デフレ脱却と景気浮上を至上命題としている。 おそらく来年中あるいは再来年までには政策効果が出てくるだろが、そうなったら長期金利が現状の0.7%に収まっているはずがない。 必ずや2%とか3%とかに上昇するだろう、それが経済の常識である。
だったら、今のうちから金利上昇でマイナスとなるであろう投資は、すべて削ぎ落としてしまう。 国債は一刻も早く保有をゼロにする。 金利上昇でビジネスに悪影響を及ぼすであろう産業セクターや企業への投資も極力減らす。
そういった5年以内に起こり得るリスク要因をすべて取り除いた上で、来年は超のつくほど積極的な株式投資を展開しよう。 なにしろ、企業の業績はこれからどんどん向上してくるし、いずれ債券から株式への資金シフトも本格化する。
さわかみファンドがその筆頭だろうが、株式それも投資対象を厳選した運用には、とんでもない追い風となってくるだろう。 リーマンショック以来5年間も臥薪嘗胆を強いられたが、その鬱屈を一気に跳ね飛ばす年になってくれよう。