日本株市場の売買の70%前後を海外投資家が占めるらしい。 海外勢の中でも目立つのが、ヘッジファンドなどによる短期のディーリング売買だろう。 たとえば、ヘッジファンドはグローバルマクロという運用手法で、世界中のあらゆる投資対象に安ければ買い、高ければ売りを仕掛けてくる。
短期のディーリング運用では、買いでも売りでも儲かりそうな方向へ資金をドカーンと放り込んでくる。 それも、5倍とか10倍のレバレッジをかけてくるから、資金量が半端でない。 当然のことながら、日本株市場への影響は超ど級となる。
情けないのは、そんな海外勢に対し真正面から受けて立ってやろうという国内投資家が存在しないことだ。 昨日も海外勢の売り仕掛けに翻弄されたが、一日の売買代金は1兆円に過ぎない。 彼らの売りといっても、せいぜい数100億円だろう。 ほんのちょっと買い向かってやれば、彼らもそうそう気楽に売り仕掛けなど出来やしない。
そうはいうものの、日本の機関投資家はどこも株式投資ポジションを引き下げていく方向にある。 銀行は自己資本規制で、生保はソルベンシーマージンを意識しており、ともに株式投資は縮小の一途。 年金も少子高齢化で積み立てよりも給付が多くなり、資金の流出増から株式投資リスクを取りにくくなってきている。
唯一の可能性は投信だが、ずっと海外投資ファンドの販売に注力しており、日本株投資への資金流入はお粗末な限りである。 とてもではないが、買い主役とはいえそうにない。 こんなときに、さわかみファンドに1兆円とか2兆円ぐらい資金が入ってきてくれたら、大暴れしてやれるのにと切歯扼腕である。
将来的にみても、個人の長期投資が日本株市場の岩盤になっていくのは間違いない。 その流れが一刻も早く現実化し、かつ加速して欲しいものだ。 成熟経済の主役は生活者であり、生活者投資家という概念が機関投資家に代わって主流となってくる。 機関投資家といったところで、もともとは個人の資金を預かっているだけのこと。 その個人が直接に投資するのが、生活者投資家である。
そこで大事になってくるのが、応援株主という考え方である。 成熟経済の主役は一般生活者といっても、その生活を支えるのは企業の生産供給活動である。 企業なかりせば、われわれの生活はない。 ならば、生活者になくてはならない企業を、今のような暴落相場で断固たる応援買いをするのは、生活防衛でもある。 それが、応援株主という考え方であって、これからますます重要となってくる。
明日は、福岡大学で講義。 朝一番の飛行機なので、ブログはお休みです。
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