大阪で某大手メーカーの経営陣はじめ幹部社員150人を越す大きなセミナーに講師として呼ばれた。 2時間近くのセミナーと質疑応答だったが、各工場とも映像がつながれており、こちらとしては相当に力が入った。
ヨーロッパなど金融の問題で世界は大変だと連日マスコミ報道されるが、だからといって地球上69億余の人々の生活が消えてなくなるわけでもない。 人々の毎日の生活を支える生産および供給活動も一時として途切れることはない。 それが経済である。
生活者はもちろんのこと、メーカーさんもわれわれ長期投資家も実体経済に視点を置いて物事を考える限り、金融金融で振り回されることもない。 むしろ、日々の仕事のピッチを上げよう、なにしろ世界の需要はすごい勢いで伸びているのだから。
それと、企業経営やIR活動で機関投資家株主から短期の業績向上を迫られ、四半期の業績で株価が過剰反応してしまう世界的な傾向は、企業の長期戦略にとっては百害あって一利なし。 そういった傾向をすこしでも緩和するには、長期の応援株主をどうやって増やしていくかだ。
長期の応援株主というのなら、メーカーさんの社員や関連業者の社員およびその家族、あるいは工場の周辺住民が一番である。 なにしろ、その会社とは運命共同体みたいなものだから真剣に応援してくれる。
昨日も話したが、長期の応援株主といってもずっと株を持ちっぱなしという訳ではない。 株価が大きく売られている時は、ここは応援しなければと買いにいく。 市場環境が好転し、株価が戻ってきたら少しずつ売り上がっていって構わない。 売って利益を確定し、その現金は次に売られたら、ためらうことなく応援の買いを入れるためのもの。 この繰り返しで、財産づくりは進んでいく。
企業にとっては、最高にありがたい。 なにかの加減で株価が大きく売り込まれたら、待ってましたとばかり裾野広く個人の応援買いが入ってくるとなれば、なによりも力強い経営サポートであり買収防衛にもなる。
この図式を日本に定着させていきたいものだ。 いまは円高だから助かっているが、海外からの日本メーカーを狙う動きは相当に強いものがある。