日本経済の低迷が続いているが、いわれるほど真っ暗というわけでもない。
もちろん、雇用不安の高まりや失業率の増加などをみるまでもなく、
毎日の生活が厳しくなってきたと訴える人々をあちこちで見かける。
地方の町の寂れようは酷いものである。
一方で、毎週末のセミナーで全国各地を飛び歩いている身からすると、
どこが不況なんだろうと思わされる面も多々ある。
たとえば、朝の早い時間と夜の遅い時間に新宿駅を利用するが、
その度によくもまあこれだけの人々が休日に出かけるものよと驚いてしまう。
新幹線や飛行機も席はしっかり埋まっている。
不況でガラガラとは程遠い状況である。
金回りが良いのは東京だけだ?
そうかもしれないが、だからといって地方の人々の生活がボロボロとも思えない。
収入が減ったり先行きの見通しが立たない状況があるとしても、
言い方は悪いかもしれないが皆さん結構ゆったりした暮らしをされている。
70年代後半から80年代半ばまでにかけて、
英国や米国の人々の暮らしぶりが急速に落ち込んでいったのをずっとみていたので、
それと比べると日本の状態は信じられないほど上である。
あちらでは現在の給料だけではとても生活していけないので、
夜や休日に第2第3の仕事をせざるを得ないというのが常態化していた。
日本ではまだそこまで行っていないだろう。
もちろん、ぼろをまとった人もいなければ、
食品を奪おうと商店の叩き壊しに走る集団もいない。
マスコミなどに影響されて世論が極端に振れるのは日本人の特性かもしれないが、
ちょっと思い込みが強すぎるのではないだろうか。
たとえば、人口が減っていく、高齢化が進む、
国の借金が先進国で最悪とかを並べて、日本はもうダメだと思い込んでしまう。
われわれ長期投資家は、ダメだダメだで沈み込んだり、
不安げに将来を考えようなんて気はさらさらない。
どんな時でも、将来に向けて明るい息吹を見つけ出しては、
さっさと行動してしまう。