今年の仕事納めは12月26日(金)というところが多い。 翌27日から新年の4日まで、実に9連休となる。 1週間後の仕事納めが待ち遠しい限りだろう。
われわれ長期投資家は12月30日(火)の大納会まで、仕事は続く。 株式市場など金融関連のビジネスはどこもそうだ。 まだまだ正月休みモードにはなれない。
それはそれとして、今年のさわかみファンドはいくつかの新記録を残した。 設定来の平均株価に対する成績差が2倍を超えたこと。 純資産額が3000億円を超すファンドで、2倍の成績差は立派である。 そして、基準価額が2007年7月につけた最高値を7年ぶりに更新したことだ。
よく巷ではマスコミを含めて、さわかみファンドは平均株価と同じ様な値動きに甘んじているという。 もっとメリハリの利いたプロらしい運用ができないものかと、批判らしき声も聞こえてくる。
別に反論する気もないが、15年間の成績が平均株価に対し2倍というのは、すごいことである。 たしかに、小さな資金でバリバリの運用をして、4年とか6年で平均株価の2倍の成績なんてのは時折ある。
そういったファンドも、好成績を背景に預かり運用資金が増えだすと、どんどん運用が難しくなる。 そして、いつの間にか平均株価と似たり寄ったりの成績に収れんしていく。
あるいは、小型ファンドのままでいったとしても、10年たったら平均株価に対し、せいぜい50%~60%上回るぐらいとなる。 15年ともなると、平均株価との差はもっと小さくなっているのが普通である。
ところが、さわかみファンドは運用年数が長くなっても、じりじりと成績差を広げ続けているのだ。 それも、3000億円を超す大型ファンドである。 まさに、本物のプロ運用だと思うよ。
そのうち、もっとすごいことに世の中が驚くことになろう。 さわかみファンドの運用スタイルならば、運用資産が5000億円、1兆円3兆円と膨れ上がっていっても、平気な顔して長期投資を続けられる。 そして、コンスタントに成績を出し続けているだろう。
そうはいうものの、基準価額の最高値更新に7年もかかった? その間、日本株市場はずっと低迷相場を続けたし、一時は1982年の株価水準にまで叩き売られたのだ。
なんとも酷い投資環境が続いたが、さわかみファンドはここが長期投資家の真骨頂発揮の場と、これはと思う企業の応援買いを断行した。 その成果が、平均株価に対し2倍の成績差である。
残念だったのは、昨年からの資金流出増が今も続いていることだ。 ファンド仲間それぞれの事情で解約売りを出されているわけだが、一度利益を確定しておこうといった解約ならば、実にもったいない。
将来の成績は約束できないが、さわかみファンドの真価が基準価額に表れてくるのは、いよいよこれからである。 なにしろ、この7年間の断固たる買い仕込みが大きな成果をもたらしてくれると、期待するところ大なんだから。
ともあれ、設定来の成績が複利で年率4.7%そこそこというのは、ちっとも嬉しくない水準である。 投資最高責任者の草刈はじめ、さわかみ投信の運用リサーチ陣には一層の奮闘を願おう。