相場など無視、されど相場

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 長期投資家にとって、相場なんて買いが多ければ上がるし、売りが殺到すれば暴落するだけのことぐらいにしか位置づけていない。 それでも、暴落相場は断固として買いに行くためにも相場動向はいつも横目で眺めている。 また、市場の買い人気が沸騰してくれば少しずつ売り上がっていかなければという意味では、やはり相場を見ている。

 これが短期投資家やトレーダーともなると、相場そのものが投資対象となるから、価格変動から一時として目が離せない。 彼らにとっては日々あるいは時々刻々の値動きが飯の種である。 長期投資家のように相場を他人事ぐらいの軽い扱いで、いつもつかず離れず横から眺めているというわけにはいかない。

 どっちが良い悪いではない。 投資スタイルの違いによって、それぞれの相場に対する接し方が異なって当然のこと。

 そんな長期投資家ではあるが、大きな相場観は大事にしている。 世界のマネーは今どのような心理や利益計算で、どちらの方向に傾斜して行っているのかは、静かにしっかりと見つめている。 その流れに乗ろうというためではない。 マネーの大きな傾斜が、いつどんな状況となれば崩れるのか、あれこれ想定しながら現在の相場をじっと見ているのだ。 

 マネーの傾斜? 今なら、誰がみても株は売られすぎだし、米国や日本そしてドイツの国債は買われすぎである。 世界中の投資家がリスク回避を指向しているからなんだろうが、世界のマネーが株式から国債へ大きく傾斜しているのは紛れもない事実。

 われわれ長期投資家としては、リスク回避とかはどうでも良い。 そんなもの、やりたい人がやればいい。 それよりも、国債など債券への世界的なマネーシフトが、株式へ逆流し始めたときのマグマの大きさを想像するだけでもゾクゾクしてくる。 

 なにが起こったところで、世界中の人々の毎日の生活はなくなりっこない。 それを支える企業の生産供給活動も途切れることなど許されない。 そこにだけ視点を置いて、これはと思う企業の株式をこの安値で買っておいて、なんの不安があるだろうか。

 大きな相場観では、ここは絶好の買い増し局面である。

 

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