何かを当てにしない、先ずは自助で

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 プライベートバンキングで一番の責務は、顧客資産を保全しつつも殖やしていくというところにある。 財産の保全といっても、何に対してかの順番がある。

 第1が戦争である。 戦争下ともなれば生活基盤も手持ちの財も奪われるし、命すら危うくなる。 着の身着のまま逃げ惑ったところで、落ち着く先もままならない。 さすがに世界大戦のような悲惨な状況はないとしても、身近なところでちょっとした戦争は起こり得る。

 そういった戦争下においても、まったく別のところで自分の財産が守られていれば、どれだけ安心できるか。 生活再建だって即座に始められる。 たとえ、自分が死んでも家族に資産は受け継がれる。

 第2がインフレである。 いくら資産を殖やしたところで、インフレとそれがもたらす経済混乱に遭遇すると、資産価値はガタガタに目減りしてしまう。 早い話、国債で安全に運用なんて言っていたところで、インフレで購買力は激減する。 長期の資産運用は、いつ起こるか知れないインフレ到来をも想定しておかなければならない。

 第3が社会的混乱に対してである。 イラクやアフガニスタンでの反政府テロ、そして中東地域の民主化運動などを見るに、一般人の生活基盤はズタズタになっている。 そんな時でも頼りになるのが、プライベートバンキングで安全に確保されている自分の資産である。

 第4第5に、ようやく景気変動や金利変動が入っていくる。 通常の運用はこのあたりの変動を上手く泳いで、成績向上つまり資産を殖やそうとしている。 したがって、戦争はちょっと想定できないにしても、インフレ到来には手も足も出ないことになりかねない。

 生きている間には、いろいろなことが起こり得る。 どんな展開となっても、自助の精神で準備を怠りなくしておけば、いざとなって大慌てしなくて済む。

 そう考えた時に、国の年金はどこまで当てにできようか。 いまでさえも年金財政は相当に悪化しているのに、インフレの高伸と長期金利の上昇に直面したら眼も当てられないことにもなり得る。

 なにしろ年金資産の60%は国債で安全に運用といっているが、それは長期金利の急上昇を全く想定していないからのこと。 たしかに国債だから安全かもしれないが、資産価値の目減りと購買力の低下は避けようがない。

 どうすればいい? 国の年金には加入義務があるから、将来の目減りを覚悟でお付き合いするしかない。 でも、それだけでは絶対に足らなくなるという覚悟もしておこう。

 その上で、さわかみファンドを購入しておくといいだろう。 なにしろ、こちらは限りなくプライベートバンキング的な投信である。 財産の預かり場所が信託銀行で、個人個人の信託勘定となっているから、ペイオフもなければ銀行の経営不安に巻き込まれることもない。

 そして運用は長期視野でインフレ到来も想定の中。 大きな変動がある毎に、その真価が発揮されよう。 まあ、長いお付き合いをしていただければ本当に良かったと思ってもらえるはず。

 来週の月曜は出張なので、次の長期投資家日記は2月12日の水曜日となります。