2015年は世界の株式市場どこも軟調な始まりとなった。 原油安で資源国の財政が悪化し、世界市場におけるオイルマネーが収縮、つまり現金化に走るのではないかといった懸念が高まってのこと。
といっても、多くはヘッジファンドなど目先筋の売りで株価が下がっているのだろう。 昨年末までの株価大幅上昇を横目に、その反転安を狙っていた投機筋が勝負をかけてきていると思われる。
われわれ長期投資家からすれば、新年早々にお年玉のような買い場が訪れたといえよう。 新規でも買い増しでも構わない、こういった大幅下げ局面ではしっかり買っておこう。 市場の下げに恐れおののき、マスコミのヒステリックな報道に踊らされて売りに走るなど、もっての外である。
株式市場など世界のマーケットは、大きな買いあるいは売りといった需給要因に素早く反応する。 今回でも、資源安でオイルマネーや国富ファンドが売ってくるのではないかで、過剰なまでの売り反応となっている。
泡を食ったような売りが一巡すると、今度は売り過ぎとみた買いが入ってくる。 そういった目先筋の念頭にあるのは、買いあるいは売りがいつどのくらいのエネルギー量で突出してくるかだけである。
それを相場というが、読み筋は買いや売りの力関係とその推移に絞られる。 後は、どう瞬発力を発揮するかの勝負となる。 かつては読みと度胸の勝負といわれたが、最近はコンピュータにやらせるから機械的かつ無機質な瞬時反応がドドッと出てくるだけとなっている。
一方、われわれ長期投資家は市場における需給の力関係を追いかけるのではなく、安ければ買い高ければ売るという行動あるのみ。 なにしろ、投資対象である企業のビジネス活動は相場動向に関係なく、人々の生活を支えるべく日夜一時も休むことなく続けられているのだから。
しっかり経営をしている企業であれば、株価動向に関係なく収益を上げ続けている。 つまり、投資価値を高めてくれているわけだ。 そういった企業の株価が何かの加減で大きく売られたら、ありがとうといって買っておくだけのこと。
たっぷりと買い仕込んだら、後は相場など忘れて旅にでも出ればよい。 もちろん、自分の仕事に精を出すのが一番である。 これを、 Buy and Hold さらには Buy and Forget といって、株式投資の基本とされる。
エネルギー価格が下がり、資源も安くなれば、世界の消費者にとっては天からの贈り物となる。 いずれ世界各国で消費が上向いていくることになろうし、それを受けて株価も上昇に転じてくる。 それをのんびりと待とう。