みんな一緒での成長なんてないよ

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 よく日本の人口は減っていくし高齢化も進むから、経済の成長余力が下がっていくのは避けられないといわれる。 それで将来を不安、あるいは悲観的に考える人が多くなっている。

 自分はそう悲観的にはなれない。 人口が減ろうと高齢化が進もうと、日本経済はいくらでも元気にさせられる。 経済は生き物であるから、活力のある個人や企業がどんどん前向きの行動を積極化させられるよう、大幅な規制緩和と減税でやる気を出させることが肝心である。 そういった前向きの動きが高まってくることで、我も我もと皆が動き出す。

 ところが日本の現状は、国などに頼りすぎている。 景気対策予算を当てにするというのは、その原資を税金や国債発行に求めるわけだ。 それでは、新たなる富の創出すなわち経済の拡大発展にはつながらない。 国の借金が増えるだけである。

 また、大幅な規制緩和は官庁の監督指導権限を奪うわけで、役人の反発が強いだけではない。 政官民の間に深く根を張っている既得権や利権構造にもメスを入れることになる。 だから、ずっと規制緩和や民営化がいわれているものの、いろいろな抵抗と骨抜きでなかなか進まないのだ。

 減税も国の財政悪化が甚だしく、財務省はとんでもないと反対する。 たしかに単年度決算主義でいくと、減税どころかむしろ増税をとなる。 ここは頭を切り替えて、5年とかの複数年予算にし、先ずは大幅減税を先行させるのだ。 経済が活性化すれば税収入は必ず増えるから、5年で税の帳尻を合わせばよいだけのこと。

 こう書いてはきたが、以上の日本経済の抜本的な改革を、日本の政治に期待できそうにないのも現実である。 かつてサッチャー首相やレーガン大統領が英国や米国経済を立て直した立派な前例があるものの、当の英国や米国でも政治家が小粒になって党利党略に走っている。 いわんや日本をやだ。

 実は、ここからが今日の本論である。 日本経済や日本の政治がどうもすっきりしないという現実を踏まえた上で、われわれは何ができるのかを考えてみよう。

 結論から先にいうと、われわれはいくらでも先に行けるということだ。 日本経済全体とかをあれこれ言っている暇があったら、さっさと自分の行動を進めるのだ。

 その最たるものが長期投資である。 かりに自分の会社がなかなか成長軌道に乗れなくて、先行きがいまいち不安といったケースでも、自分のお金には長期投資で世界の成長を取り込んでいく方向で働いてもらえばいい。

 自分の働きに自分のお金の働きを乗せてやることで、自分の将来をいくらでも明るくさせられる。 たとえ多くの人々が経済全体や政治のもたもたと一緒になってオロオロしようと、われわれがそれに付き合わなければならない理由などない。

 いますごく生活に苦しい人も、そこをなんとしても切り抜ける必要がある。 国や会社に頼ったところで、今の苦しさからはなかなか抜け出せない。 頼るのは自分の働きと、自分のお金の働きしかないはず。 そう腹をくくって頑張るのだ。

 時代の変わり目や新しい価値観が登場してくるときは、みな一緒なんてありえない。 個人でも企業でも自助自立の姿勢を高めたところが、どんどん前へ進んでいって新しい価値観を打ち立てることになる。

 われわれは先頭を走ろう。 大体からして、長期投資とはそういうものなんだ。