お金はいくらあってもいい、思いを乗せてまわそう

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 伊豆七島は最南端の神津島でこの週末、全国各地から170名が参加したサッカー大会が開かれた。 地元の神津島から2チームと合わせ合計8チームで、熱戦が繰り広げられた。 そこへ、驚くようなゲストチームも参加してもらえた。

 もっとも、土曜日の午後の第一回神津島カップというサッカー試合だけではない。 実に多くの方々が神津島を堪能しに来島された。 海はもちろん、山登りあり、釣りあり、島巡りあり、そして海水の温泉有りで、それぞれが自由にあれこれ楽しんでおられた。

 そもそもこの企画は、できるだけ多くの人々に先ずは神津島へ行ってもらおう、それにはどうしたら良いかでスタートしたもの。 何か面白いイベントを打って大勢の人々に島を訪れてもらう、そうすれば神津島の経済に少しは貢献できるだろうと考え、神津島カップをやろうということになった。

 週末の二日間を通して実感したのは、こちらの想定をはるかに超えた盛り上がりとなった。 訪れたわれわれも、迎えてくれた村の人たちも、一般的な観光を超えたなにかをあちこちで感じ取れた。

 それが村役場の職員にはっきり表れていた。 村の観光協会には職員が2人しかいないが、役場総出で送迎からお弁当の配布、観光案内や夜のパーティー設営まで、見事な分担作業を手際よくこなしてくれた。 皆さんいずれもが実に楽しそうに、心のこもった対応をしてくれていた。

 どうみても、経済効果を超えている。 高々170人が週末に訪れたぐらいで、どれほど経済にプラスになるかなんて知れている。 しかし、170名の受け入れ準備から波止場での見送りまで、役場職員はじめ多くの人々が動きまわることで、社会が活気を帯び皆が元気になる。

 ここのところが重要なんだろう。 経済はお金をつかうことでいくらでも活性化する。 しかし、お金をどうつかっていくかに思いを込めることで、より多くの人々を巻き込みながら経済や社会をどんどん面白くかつ元気にさせられる。

 経済なんてものは人々の生活と、それを支える企業のビジネス活動で、そのほとんどが成り立っている。 人は生きていく上で消費するだけではなく、様々な生産活動に参加している。 実際、食っていくために稼ぐというじゃないか。 要は、生きていくために何かしらの行動するということだ。

 食っていくための何かしらの行動を、会社など職場での仕事と限定するのではなく、もっと広げて考えてみよう。 面白がってお金をつかう、それが他の人の収入となり、まわり回って戻ってくる。 これだって立派な経済の拡大サイクルである。

 この週末がそうだった。 われわれも少しばかりお金をつかわせてもらった。 それにプラスして、神津島の中で人もお金も動いた。 それらが合わさって経済となっていく。 それ以上に、おもしろく楽しい社会が出来上がっていく。

 この考え方を、どんどん広めていこうではないか。