国連による人口予測が昨年の11月に上方改訂された。 2050年の人口推計の中位値が、それまでの93億人から96億人に増加となっている。
現在の71億人ちょっとから96億人へと、地球上に住む人々の数が25億人も増える計算である。 一日あたり18万5000人ずつ増えていくことになる。
世界の人口が毎日18万5000人ずつ増加していくということは、その分だけ食衣住とエネルギーの供給力増強が図られなければならない。 いっておくが、国連の人口推計というのは一番信頼度の高い将来予測とされている。 それでもって、毎日18億5000万人分ずつ需要が増加していくと言っているのだ。
とんでもない数字である。 それだけの経済規模拡大は、グローバルベースで放っておいても進んで行くことになる。 もっとも、アフリカの人口が現在の10億人から20億人へと増加するように、どちらかというと貧しい国々での新規需要の拡大であるから、金額的にはそれほどのものではない。 とはいえ、相当な需要の伸びである。
実は、そこへもっと巨大な世界需要の上乗せ要因が加わってくるのだ。 それは世界中の人々の生活水準がどんどん上がってきているという現実である。
いまだ生きていくだけといったギリギリの生活に甘んじている最貧国の数億人は横へ置くとしても、地球上50億人弱の人々はより豊かな生活を求めて、すでに走り出している。 このエネルギーの爆発は、もう止められない。
たとえば、中国ではもう誰も人民服を着ていない。 一度いろいろな色やファッションの衣装を着だしたら、もっと新しいのもっと素適なのを着たいと需要は際限なく拡大していく。
あるいは、13億人余の中国人のうち自動車を保有しているのは、1億人ちょっとでしかない。 残りの12億人の全員とはいわないが、少なくとも5億や6億人は車を買いたくて買いたくての需要が潜在しているはず。
こういった、より豊かな生活を求めてやまない新興国や中進国の需要の伸びは、世界経済の拡大発展に直結している。 いまでもそうだが、今後どれだけのエネルギーや食料、水そして工業原材料が必要となってくるのか、想像を絶するものがある。
世界中で爆発している供給力増強と、人々のより豊かな生活を求めて止まないニーズは、とんでもなく巨大である。 それを先取りしている企業の将来可能性は、これまたどれだけ大きく伸びていくのかゾクゾクさせられる。
われわれ長期投資家にとっては、とんでもないチャンスが広がっているわけだ。 ここへきての株価下落など、無視もいいところ。 資金あれば、どんどん買っておこう。