週末の勉強会では、投資家というよりも一般の生活者や経営者の参加が多かった。 そんな中、出てきた質問の多くがアベノミクスは成功するだろうかといったものだった。
ここへきての株価下落で、順調にスタートを切ったかのように思えたアベノミクスが果たしてデフレ脱却への道を切り開くだろうか、ちょっと不安になってきたというところだろうか。
そこで繰り返し強調したのは、自助自立の精神を高めようということ。 アベノミクスや黒田金融緩和に頼り切っていては、デフレ脱却も景気回復も思うようには進まない。 できるだけ多くの人々が前向きの行動に移らなければ、経済は沈滞したままだというところをしっかり認識する必要がある。
経済活動のほとんどは、人々の毎日の生活とそれを支える企業ビジネスが集まったものである。 デフレつまり経済活動の収縮に歯止めをかけ、景気回復に向かわせるのも人々や企業の前向きの意思と行動あってこそ。
前向きの行動が高まれば、物価も金利も少しずつ上向き始めるもの。 それが、さらなる前向き行動を誘発することで、経済活動はどんどん高まっていく。 よくいわれるリスクマネーも事業家精神も、まさにその先導役を果たすわけだ。
ところが、この3週間の株価下落とマスコミ報道をみるに、他力本願の甘え体質が丸出しとなっている。 アベノミクスによる成長戦略が打ち出の小槌のような期待感を集め、それが具体性に欠けるといっては失望売りを浴びせるなど、まるで駄々っ子そのものである。
自分たちの前向きの行動で、自分たちの将来を明るくさせるのだといった自助自立の意欲でもって、世の中が成り立っている。 よしんば政治がだらしなくても、経済はいくらでもダイナミックに拡大発展できる。
そこへ、アベノミクスでも何でも政治が将来の方向付けをしてくれることで、景気回復や経済活性化のスピードが上がるはず。 それを、何もかも他人任せで果実だけを期待するなど、経済活動の原則から逸脱もいいところである。 まともな企業家は政治などを待ってはいない。
長期投資家も同じこと。 政治に頼むことなく、社会の発展に寄与しようと自社の経営に集中している企業を、自分の資金で応援するだけのこと。 応援するのなら、皆が売りまくっている株価暴落時こそ断固として出動すべきだろう。 まさに、自分の意思と判断による行動である。
そういった企業活動や応援投資で、失うものがあるだろうか? 人々が喜んでくれるビジネス活動であれば、その事業が廃れるはずもない。 それらの企業を応援すべく株価暴落時の安値で投資して、長期的に報われなかったことなどかつてないこと。
ここのところを腹に落とし込んだら、後は行動あるのみだろう。 心配ない、なにがあっても人々の生活とそれを支えるビジネス活動は、なくなりっこないのだから。