佐渡の金鉱山

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 週末は東証の ”プラス YOU 日本企業を応援しよう” セミナーで、新潟と佐渡へ行ってきた。 最近の株価上昇もあってか、参加者も190名と50名で想定を大きく上回った。

 こちらにとってありがたかったのは、佐渡への船便の関係で泊りがけとなったこと。 初めての佐渡であり、昔の金鉱山の話も興味あったので、いろいろ勉強になった。

 なかでも、相川という地域の栄枯盛衰が印象的だった。 もともとは30軒ぐらいの小さな集落に過ぎなかったが、金が発見されてからというもの人口が爆発的に増加し、5万人を超える町にまでに発展した。 金鉱脈の枯渇もあって、いまはかなり寂れてきているが、往時の賑わいぶりがあちこちに偲ばれる。

 勉強になったのは、金でも何でも構わないが、大勢の人が暮らしていける収入源があることの大事さである。 収入源があれば、いろいろな商売が生まれるし、その家族の生活もできてくる。

 さわかみグループは財団も含めて、良い世の中づくりを目指しているが、人々が心豊かにやさしく生きていける環境を築いていくことでもある。 それには、お題目を並べているだけでは、なにも始まらない。  やはり、人々の生活が成り立ってこその話である。

 たまたま、この週末には財団スタッフが富士山ろくで、杉やひのきの人工林をどう自然の植栽に戻していけるかの研修を受けてきた。 彼らの報告を受けるまでもなく、日本中で荒れ放題の人工林をはじめ、伸び広がるままで放ったらかしになっている竹林は、自然環境の面からも深刻な問題である。

 荒れ放題の人口林や竹林に、どう手を入れていくかで大きな雇用を創出できる。 日本の山林で機械を入れられるところは限られており、どうしても人手を要する。 だったら、雇用機会をつくってしまえばいい。

 ポイントは大勢の人が食っていけるだけの収入源をどう確保するかだ。 やたら儲かる仕組みにしなくてもいいが、ある程度の収入がきちんと得られるようにしないと、落ち着いた生活もままならない。

 そのあたり、長期投資と新規ビジネスとを組み合わせて、新しい生活モデルをつくっていくのも、われわれの挑戦である。