今日は月次報告書の発送日。 ここへきて、ようやく楽しみな報告を連発できるようになってきた。 ありがたい限りである。
相場動向が上向いてきて、ありがたいと思う中にも釈然としない感情も否定できない。 なにかというと、ここまでのところは株価が全面高の様相を見せており、どんな運用をしてきたところも上昇相場を謳歌している。
昨年の11月まではお先真っ暗で青い顔していた投信ファンドや運用者たちも、いまは活き活きと上昇相場を語っている。 それどころか、あれだけ解約に苦しんでいたというのに、最近は成績向上を囃した営業で運用資金をどんどん流入させているのだ。
運用ビジネスは所詮、相場もので営業次第といった「面は否定できない。 そのあたりが、ここへきて如実に表れてきている。
ちなみに、ちょっと前まで運用者たちは一体どれだけ成績向上に悪戦苦闘してきただろうか。 長く続いた下げ相場に真っ正面から買い向かってきたところはほんの一部で、大多数は解約資金づくりに追われて売りの一手だったはず。
ところが、この5か月というもの急ピッチの上昇相場が過去の運用状況をすべて洗い流してくれた。 どこの運用成績も押しなべて向上しているのだ。 それを良いことに、営業力の強いところは大車輪で資金集めをしている。
投資家顧客からみれば、ここ最近の上昇相場をうまくとらえていますよといった営業トークには、どうしても乗せられがちとなる。 なにしろ、ほとんどの投資家が急ピッチの株価上昇に乗り遅れており、一刻も早く買わなければと焦っているのだから。
その点、われわれ直販投信はどうにももどかしいものがある。 ファンド拡販の営業は一切しないで、ぶれない長期運用哲学とそこからの運用成績でもって、世の評価を問おうとしているが、この上昇相場では猫も杓子も成績向上を語れるのだ。 まさに、勝てば官軍である。
まあ、この上昇相場もそのうち第2段階に入っていく。 株価の全面高症状がひとわたりしてくるにつれて、個別株を選別買いする相場にシフトしていくわけだ。 そういった相場展開となってくるにつれて、どんなポートフォリオを作成してきたかで成績差がはっきりしてくる。
われわれにとっては待ってましたの展開だが、投資家の多くは残念ながら、この5か月間の成績向上に引き寄せられてしまっている。 願わくば、その人達が買い群がっている投信も選別買い相場への運用シフトをしてもらいたいものだ。
運用成績には一時的なものと、時間の経過に耐えられるものとがある。 もちろん、さわかみファンドは時が経てばたつほど、圧倒的な成績差をつけてやろう。 そういった思いを込めて、今日も月次報告書の封入作業に精を出すぞ。