さあ、今週はどんな展開となるのだろう?
先週末のNY市場は大きく上げた後、どすーんと売られ、
このまま後味の悪い週末入りかと思いきや、大引けにかけて戻した。
一方、米国債の格付けが一段階下げられたことが世界の債券市場にどう影響するのか、
金融市場はどう受け止めるか、いろいろ不確定要因の多いまま週明けとなった。
あと40分もしたら9時、東京市場が開いたらわかる。
どうなるかはどうでも良い。
問われるのは、どう行動するかだ。
日本のみならず世界でもそうだが、
本格的な長期投資家というものが、いまや稀少種族のようになってしまった。
機関投資家の多くが口では長期投資というものの、
実態は毎年毎年の成績に追いまくられる運用で精一杯。
本格的な長期投資家であれば、
各国政府の債務超過で国債の信用度が落ちているのなら、
なんのためらいもなく債券から株式への資金シフトを進めるだけのこと。
まして、米国の10年もの長期債でも年2.5%にしか回らない。
すなわち、米国債価格は史上最高値水準にあり、ここからの投資妙味はもうほとんど残っていないのだから。
そんなことしたら、米国債が暴落しかねない?
長期金利も急騰して、世界の金融界にも少なからぬ影響を及ぼす?
そういった考え方が、毎年の成績に追いまくられる世界の機関投資家の間で一般化している。
それが問題なのだ。
市場はその時々の需要と供給を価格変動でもって調整するところ。
これだけ世界中で国債が大量発行されてきているのだから、供給過剰と判断されれば売られるだけのこと。
売られては困る、長期金利が上昇してはまずいと思うなら買えばよいが、
それを上回る売りが出れば国債価格は下がっても仕方ない。
それが、市場の需給調整機能である。
売られたなら売られたなりに、新しい国債価格で次の行動を考えればよい。
売られて下げた分だけ、債券投資の魅力が上がっているかもしれないのだから。
もちろん、株式投資へのシフトも選択対象である。
ところが、なにが何でも債券だといった考えに縛られていると、
国債の格付け引き下げは大変な事態だと大慌てしてしまう。
市場って、もっと自由自在なものなんだがね。
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さわかみ投信の新社長である黒島光昭が本を出した。
社長就任以前より書き始めていたとのことだが、齟齬はなく内容も面白い。
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