生活者としてもっともっと頑張ってもらいたと思う企業を、株主となって応援するのが長期投資である。
応援するという以上は、皆が売り逃げに走っている時に
“まかせておけ”
と、断固たる買いを入れるぐらいでなければ話にならない。
皆が売ってくる時とは、景気悪化で業績の下振れ懸念が出てきたとか、
天変地異や突如の事故が発生したりで、株式市場が暴落症状をきたすときである。
そういった時に、ボロボロに売られている株価をみて、
どこの誰が株式を拾い集めているか知れたものではない。
ずっと生活者にとってありがたい経営をしてくれていた企業なのに、
株主が代わってしまって短期の利益追求に走り出したら、、生活者にとって嬉しくはない。
生活者の味方ということで、毎日の消費を通して応援してきたのに、もうその気も失せてしまう。
身の回りの会社の経営が次々と短期指向に変わっていくとなれば、
われわれの生活自体がどんどん殺伐となっていく。
だったら、わけの分からない株主の登場を許す前に、
われわれ生活者が株主になってしまえばよい。
暴落相場を買い向かうというのは、長期投資の出発点であるが、生活防衛でもあるのだ。
いまのような震災被害や原発問題で売られがちな株式市場は断固として買い向かう?
当然だろう。
大きく売られたら、どんどん積極的に買っていく。
資金のありったけを投入してでも買おう。
集中的な売りが一段落して、株価も小康状態になってきたら、
下値に買いを分厚く入れていこう。
無理して上値を買いに行くことはないが、
売り込んできたらいくらでも買ってやるわいという強い意思表示を、
実際に買い注文を入れておくことで市場の内外に示すのだ。
株価というものは面白いもので、
下値に分厚い買いが入ってくると安心感が高まり、自然と上値を追う展開となっていく。
その先は、株価上昇が次々と新たな買いを呼び、いわゆる本格的な上昇相場となっていく。
われわれ長期投資家は暴落時にたっぷり買っておいたから、
戻り相場から上昇相場のどこで売っても、十分なる利益確定ができる。
株価が上昇してくればわけの分からない投資家が登場してくる懸念が遠のいていくから、
応援の手を緩めても構わないということだ。