金価格の上昇(前編)

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 金価格が高値圏にある。

 あまり知られていないが、

 自分は金投資と結構長いお付き合いをしている。

 そもそもが1970年代前半、

 ヨーロッパにいた頃から始めたから、もう40年になる。

 当時は機関投資家の間でも金を2%から5%位ポートフォリオに組み入れるのは、

 ごくごく普通の投資行動だった。

 

 その後、

 世界的なインフレもあって金価格はしり上がりに上昇していって、

 1980年から84年にかけて大暴騰した。

 ところが、それからが金投資にとってはいばらの道となった。

 高値づかみした投資家の投売りから始まった暴落を経て、

 世界的な金利低下トレンドと証券化商品の勃興が金投資には完全に逆風となり、

 金価格はだらだらと下げ続けた。

 

 あまりに長く続く下げトレンドに、

 金保有を伝統としてきた欧州の中央銀行までもが、

 信じられないことに金の売却を本格化させた。

 金を保有していても金利はつかないし、

 他の運用商品の方がよほどマシということだ。

 それほどまでに、世界中の金投資に対する人気は離散していった。

 

 そのうち、世界の金鉱山までもが金を先物でどんどん売り始めた。

 どうせ値下がりトレンドが続くのだから、

 金を出鉱する前に先物で売りヘッジをかけておこうというわけだ。

 

 一方、世界の機関投資家は年金の運用本格化の波に乗って、

 株式や債券投資で80年代そして90年代とそれこそ黄金の日々を送った。

 また、デリバティブ(金融派生商品)といったものが台頭した。

 その横で、金の投資魅力は遠く忘れ去られていった。

 

 今日はさわかみ投信の月中報告書の発送日なので、ここまで。

 続きは明日。