われわれ長期投資家は、
相場の見通しがどうのこうので余分な時間やエネルギーを使うことはない。
相場なんて買う人が多くなれば上がっていくし、
売る人達が殺到すれば暴落するだけのこと。
ここ最近のように、いまいち買い方に自信がないときは、
相場も上へ行きたくてウズウズした展開となる。
そこで今日の表題だが、一般的な相場見通しとは違って、
長期投資家としての見解はいつでも行動につながっていく。
その点は先ず押さえておこう。
その上で、
日米の株式市場が上へ行きたがっているという推測の根拠を述べてみよう。
第一に、企業の収益動向がどんどn向上していること。
マスコミなどでは、世界的に景気は低迷しているし、
デフレの懸念も否定できないといっているが、
それは先進国中心の見方に偏りすぎている。
一方、
多くの企業は世界経済のグローバル化を真っ正面から捉えて積極経営を続けている。
たとえ先進国の個人消費が低迷しているとしても、
新興国の猛烈な成長意欲に乗って業績を伸ばせばよいだけのこと。
第二に、悪い悪いといわれる先進国の個人消費も、
実態はそれほど酷いものではないという、
冷静な判断も少しずつだが出始めてきていること。
マスコミは現在の問題に焦点を当てて集中的に報道しようとするから、
どうしても過激な映像や表現が電波や新聞紙面に載りがちとなる。
しかし、実際に街角に立ってみると、
人々の動きは決して不況に苦しむそれではない。
先週のパリでも市民がクリスマスを前にして、
何を買おうか品定めですごい人混みだったのもそうだし、
日本の新幹線や飛行機の込みようでも、どこが不況かと疑いたくなってしまう。
消費全体の統計はそれとして、
企業経営にとっては自社の製品が売れるかどうかだけが関心の的。
その点でも、個人消費のいろいろなところで動きが出てきているということは、
個別企業の業績を追う投資家にとっては重要な情報である。
第三に、
世界のマネーが徐々にだが金融バブル崩壊の打撃から立ち直りつつあるようだ。
といっても、多くの金融機関は、
不良債権化した融資案件や証券化商品を抱えて身動き取れない状況にある。
しかし、投資も経済も今動けないようなところは放って置いて、
その横で生まれてきている新しい動きに焦点が当っていくのは常識である。
どうやら、まだ一部かもしれないが世界の投資家の間で、
金融バブル崩壊離れの動きが本格化してきつつあるように思われる。
結論は、企業選別は徹底しつつも、株は安いところあったらどんどん買っておこうだ。